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二階堂先生の「食べ物は薬」

ベニバナ - ご婦人に役立つ薬草

ベニバナ
  • ベニバナ
  • 学名:Carthamus tinctorius
  • 科名:キク科
  • 英名:safflower
  • 別名:紅花、末摘花(すえつむはな)、紅藍花(こうらんか)、呉の花(くれのはな)、呉の藍(くれのあい)

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ベニバナの花と葉 紅餅(上)と種子(下) 果実の縦断面 ベニバナ ベニバナ ベニバナ

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エジプト原産と言われていますが、野生種は知られていません。双子葉の1年草又は越年草で古くから世界各地で栽培されています。栽培には温暖、乾燥気味で日当たりが良く、排水のよい砂質土壌が適していると言われます。日本では観賞用や口紅、染色用としての栽培がなされています(山形県花、千葉県長南町花)が、外国では種子からの油脂を採取する原料として大量栽培がなされています。

茎は直立し、上の方は分枝して高さは約1mとなります。深緑色の葉は互生し、葉柄はなく、茎を抱くようにしています。広披針形で質は硬く、先端が尖り、鋸歯縁でその先端は鋭い刺となっています。そのため花を摘むのは朝露でこの刺がまだ柔らかな朝早い内に行う必要があります。

夏の頃、茎頂にアザミに似た大型で、すべて管状花だけからなる頭状花を付けます。咲き始めは鮮やかな黄色をしており、次第に橙~紅色に変化してゆきます。総苞の外側は葉状ですが内側のものの縁には針状の刺があります。

種子はアズキ粒位の大きさで、堅い種皮を被っていて短い冠毛を有しています。

花は食品の無害な紅色着色料(食紅)として用いられ、ご飯、スープ、酒、サラダなどに使います。種は炒って食べたり、種子油は良質な食用油としてドレッシングや天ぷらなどに使います。また若い内は茹でたり、アク抜きをして野菜として食べることもできます。

頭状花の基部が少し紅色に変化した7-8分咲きの時に花を摘み、陰干し又は火力乾燥したもの、又は水に浸して大部分の黄色色素を除いて圧搾し板状に乾燥したものが生薬の紅花(こうか)です。特に板状にしたものは板紅花(ばんこうか)と呼びます。

摘み取った橙色の花弁を陰乾すると紅色になるので、これを口紅原料としていました。又水に晒して乾燥した花弁を丸餅の形に杵で搗いて、乾燥させた紅餅(べにもち)を染色に用いました。水溶性の黄色を始め、錫や鉄の媒染で山吹色や黄茶色に、灰汁(アルカリ性)や烏梅(酸性)を用いて紅色、桃色など多くの色に染色することに用いました。江戸時代、山形・最上川流域が主産地でしたので最上紅(もがみべに)と呼ばれ、京都に送られて京紅(きょうべに)と呼ばれました。

成分としては水に不溶の紅色色素のカルタミン、水溶性の黄色色素のサフロールイエロー、サフロミンA,B、フラボノイドのカルタミジン、カルタモン、リノール酸を主(77-79%)とする脂肪油であるベニバナ油(Safflower oil) などが知られています。

生薬の紅花は血行を促し、停滞した血の流れを良くする作用が知られ、婦人病特有の血行障害に基づく生理痛、月経閉止、産後の腹痛などに、又更年期障害、婦人病一般および狭心症、動脈硬化などにも有効とされています。葛根紅花湯(かっこんこうかとう)、治頭瘡一方(じずそういっぽう)、滋血潤陽湯(じけつじゅんようとう)、通導散(つうどうさん)などの漢方処方に配合されています。また焼酎、砂糖などに2ヶ月入れて作る紅藍花酒(こうらんかしゅ)は婦人の頭痛、めまい、肩こり、のぼせ、血の道などの時に用いられます。またこの薬用酒は女性の美肌にも効果があるとされています。

種子から得た紅花油は血管壁に付いたコレステロールを取り除く作用を有するリノール酸含量が多いことから、高血圧予防や動脈硬化症の予防、治療に役立つと言われ製剤化もされています。

さらに紅花にお湯を注いで紅花茶として飲んだりもしています。また種子油を灯用にして出た煤を用いて作った、最高の筆墨とされる紅花墨(こうかぼく)も知られています。


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