きぐすり.com は、漢方薬、女性の健康、サプリメント、ハーブの情報を専門家がやさしく解説しています。
二階堂先生の「食べ物は薬」
パセリ - 栄養素含有量がトップクラスの野菜
-
- パセリ
- 学名:Petroselium crispum var. angustifolium
- 科名:セリ科
- 英名:parseley
- 別名:オランダゼリ(和蘭芹)、 胡荽、芫荽、旱芹菜
-
地中海沿岸地方原産の2年草又は多年草で紀元前から薬用、食用とされ、日本へは17世紀にオランダ船が長崎に持ち込みました。全草に香気があり、葉が縮むものと平葉のものとがあるが日本では縮葉が多くみられます。
全株無毛、葉は叢生して長い葉柄を持ち、三出複葉を付けます。切れ込みが著しく濃い緑色をしています。ヨーロッパではイタリアンパセリPetroselium neapolitanumと呼ばれる平葉が主流ですが、現在の日本では縮れた葉が特徴のモスカールドパセリが主として栽培されています。また根がニンジンのように太く、その根も葉も食用とされる根パセリPetroselium crispum var. latifolium ハンブルクパセリなどがあります。
2年目に花茎が伸び淡緑黄色の小花を複散形花序をして多数咲かせます。
果実は蒴果で広卵形をしており、長さは3mmほどで特有の芳香をしています。
葉を料理のつまとして賞用しスープ、ソース、サラダなどに刻んで加え香辛料として、また揚げ物として食用とします。根菜の根パセリは独特の風味を有し、ユダヤ料理では特によく用いられています。
薬用の目的では種子に強い利尿作用が知られており、ドイツでは腎臓結石の治療薬として承認されています。また通経作用なども知られており、他に含有されている精油による独特の香りには食中毒の予防、口臭予防、食欲増進などの効果があり、中国では古くからはしかの薬として利用されています。生の葉を擂り潰して虫に刺されたときに良くすりこむと痛みやかゆみが和らぎます。葉を水で煮て、濾した液は肌の余分な油分を除くのでローションやヘヤ―リンスとしても使えます。香りはアピオール、ミリスティシン、ピネンなどの精油成分によるもので、アピオールで整腸効果が、又ピネンには消臭効果など色々の効果が期待できますが、精油を経口摂取したり、皮膚に直接塗るのは光過敏性の皮膚炎を起こす可能性があるので避ける必要があります。
栄養成分としてはビタミン類(A,B1,B2,C)も多く、またミネラル類(カルシウム、マグネシウム、鉄)も野菜の中でとび抜けて多く、過酸化脂質を抑制し動脈硬化を予防する働きのあるカロテン量は抜群で、その他食物繊維、クロロフィルなども含んでおり、栄養素全体の含有量はトップクラスの野菜と言えます。
葉の緑色が濃くて艶があるものを選び、黄色くなっているものは避け、みじん切りにして冷凍保存することも可能です。
腎臓疾患、炎症を伴う腎臓病の患者には禁忌とする安全情報も出されているので注意が必要です。また胃潰瘍、アトピー性皮膚炎や汗かきの人は多食を避けるのが望ましいとされています。