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二階堂先生の「食べ物は薬」

ホソバタイセイ - 葉は青色染料の原料に、根(板藍根)は感染症治療の原料に

ホソバタイセイ
  • ホソバタイセイ
  • 学名:Isatis tinctoria
  • 科名:アブラナ科
  • 和名:ホソバタイセイ
  • 英名:woad
  • 別名:ウォード、大青、パステル、久瑠久佐

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南ヨーロッパ~西南アジア原産の二年草で、古くから染料植物として使われ、世界各地にひろまって栽培されてきました。日本でも藍染の原料植物として知られていますが、化学染料が出たことから栽培はほとんどなされなくなっています。日本では主に海岸に生え、草丈は70~100cmほどになります。直立した茎は青緑色をしており、白い細毛におおわれています。披針形をした葉は互生し、枝先に多数の小さな黄色い十字架状の花を総状花序として付けます。

根は太さ5~8mmで地中深く伸びてゆきます。

ヨーロッパでは2000年も前から青色染料の原料として、また止血薬として使われてきました。染料としての用途は17世紀になってインド藍からのインジゴ染料に代られてしまいましたが、薬草としては解熱、抗炎症、抗ウイルス作用などによって様々な感染症や炎症に用いられています。

中国では薬用植物として栽培され、根を清熱解毒の重要な生薬として利用されてきました。特に2002年から2003年にかけてアジアに広がったSARS(重症急性呼吸器症候群)流行の際に大変有名な薬として用いられました。

漢方では葉を大青葉(たいせいよう)、根を板藍根(ばんらんこん)という生薬名で呼ばれています。どちらも風邪、インフルエンザ、ウイルス性肝炎、肺炎やはしかなど、色々の感染症治療に用いられています。日本でもお茶やエキス製剤などの形で多く使用されています。

根には主な成分としてインジルビンとインジゴチンが、葉には水溶性で無色のインジカンが含有されており、加水分解などにより水に不溶性の青色色素のインジゴに変化します。

イタリアの研究チームからは抗がん物質のグルコブラシシンが豊富に含有されていることが2006年の学術雑誌に報告されました。同じ科のブロッコリーからすでにこの化合物が得られていますが、その含量はブロッコリーの約20倍も含まれており、乳がんや前立腺がんに特に効果があることが知られています。


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