きぐすり.com は、漢方薬、女性の健康、サプリメント、ハーブの情報を専門家がやさしく解説しています。

二階堂先生の「食べ物は薬」

ハハコグサ - 春の七草の一つで草餅に、鎮咳・去痰薬として用いられます

ハハコグサ
  • ハハコグサ
  • 学名:Pseudognaphalium affine
  • 科名:キク科
  • 和名:ハハコグサ
  • 英名:jersey cudweed
  • 別名:オギョウ、ゴギョウ(御形)、ホウコグサ(這子草)、ブツジグサ(仏耳草)、ソジ(鼠耳)、モチバナ(餅花)

関連画像

ハハコグサ ハハコグサの花と茎菜 ハハコグサの葉 ハハコグサ ハハコグサ ハハコグサ/ロゼット ゴギョウ/ハハコグサ

クリックで拡大画像をご覧いただけます。

東南アジアに広く分布する越年草で、日本には古代の農耕文化に伴って朝鮮半島または中国から伝わった帰化植物と言われています。わが国では全国の平地から山地まで、道端や野原などに生育しています。

秋に芽を出し、冬から早春にかけてロゼットの状態で地面に張り付くように生えています。茎は20~30cmの高さとなって直立し、柄のない細い葉は柔らかで互生しており、茎と葉はともに全体的に白い綿毛におおわれています。

春から夏にかけて小さな黄色い花を密につけて頭状花序を茎の先端に付けます。

花が終わると長楕円形の数ミリの冠毛を付けた果実ができ、タンポポのように種子を風によって飛ばします。

中国では正月七日に7種の葉を吸い物とする習慣があり、それが日本に伝わり、春の七草として広まってゆき、御形(おぎょう)の名でハハコグサも、その一つとして知られています。春の若い茎葉を摘み採って、茹でて水にさらし、七草粥に入れて用いたり、若芽を塩入の熱湯で茹でてから、水にさらしアクをとって細切したものを、しん粉(もち米の粉)に混ぜて餅や草団子として食べます。その他、若葉や茎の毛を除いてから、茹でて水にさらしたものを浸し物や天ぷらにして特有の風味を楽しみます。

開花時の全草を採取し、乾燥したものが鼠麹草(そきくそう)と呼ばれる生薬で、カリウム塩の含量が多く、フラボノイドのルテオリン配糖体などが成分として知られています。煎じて鎮咳薬、去痰薬や気管支炎などに民間薬として主に用いられます。また乾燥した全草を細切して火の中へ入れて、出てくる煙によっても咳や痰に有効と言われています。

軟毛のある葉の形が鼠の耳のようで、黄色い花とその形が麹に似ていることから鼠麹草という名前が付けられたと言われています。茎葉が白い綿毛をかぶっているので、それが母が子を包み込むように見えるので母子草の名が付けられたとする説や、葉を草団子にして使った葉っこ草がハハコグサに転じたとする説などが知られています。


きぐすり的レシピ集でレシピを探す
あなたの食生活をチェックしてみましょう!
50音別で食材を選んでみましょう。

TOP