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二階堂先生の「食べ物は薬」
ミョウガ - 香り成分によって集中力が増す
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- ミョウガ
- 学名:Zingiber mioga
- 科名:ショウガ科
- 英名:myoga
- 別名:茗荷
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東南アジア原産で、山地の樹下又は人家に植えられる多年草で日本独特の野菜です。
茎は直立して細長く、葉が筒状になった偽茎と呼ばれるもので、葉はショウガに似て細長く、互生して先端は尖っています。根茎には節が多く、多肉質で、地下を横走して白色の地下茎を出します。
春に幼茎が伸びた若芽を「ミョウガタケ」として、汁の実、麺類、冷奴の薬味などとして食用にします。夏になると地下茎からさや状の鱗片を付けた花茎を出して、地上へ伸長すると、紫脈のある紅緑色の苞葉の間から花穂が出て、淡黄色の花(一日花)が咲きます。1つの花穂(蕾)から数輪の花が咲きます。この花が咲く前の蕾の状態で採取して「花ミョウガ」とか「ミョウガの子」と呼んで食用とします。独特の香りと辛味があり、特有の色と合わせ、和風料理の香辛野菜として、また蕎麦、素麺、冷奴などの薬味として利用される他、汁の実、煮物、天ぷら、酢の物、塩漬け、味噌漬けなどとしても食べられる、夏が旬の野菜です。
香と辛味を示す成分は精油成分のα-ピネンで、この成分は大脳皮質を刺激して気分を高め、眠気を覚まし、発汗、血液循環促進、消化促進、解熱、解毒などの作用が知られ、喉の痛みや口内炎などにも有効とされています。またカフェインやゲラニオールなどの抗菌作用を持った成分を含み、さらに食物繊維も多く、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラル成分も多く含まれています。
ミョウガにはホルモンのバランスを整える作用も知られており、生理痛や生理不順の改善、女性の冷え性や、それによる腰痛、腹痛などにも有効です。根茎をすり下ろして、眼の湿布や霜焼けに温湿布しても効果が見られます。地上部を乾燥して布袋に入れて、風呂に浮かせて用いると精神安定、安眠、疲労回復などに効果があります。
ミョウガを食べると物忘れがひどくなると言われますが、科学的証拠もなく、逆に上記のように香り成分によって集中力が増すことが知られています。
花穂を襄荷(じょうか)と呼び、若芽、茎と共に煎液として消化促進、神経痛、リウマチに用います。また根茎は腎臓病や生理不順に、根茎、葉は凍傷や霜焼けのかゆみ止めに用いられます。