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二階堂先生の「食べ物は薬」
マンゴー - 果皮の成分にはかぶれないように注意
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- マンゴー
- 学名:Mangifera indica
- 科名:ウルシ科
- 英名:mango
- 別名:檬果、芒果
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熱帯アジア原産の樹高が20-30mに達する常緑高木で、インドでは約4000年以上前から栽培されている。色々の形、大きさの異なる極めて多くの品種がインド、東南アジアを主産地として栽培されている。日本でも沖縄や九州各県などでアーウィン種のアップルマンゴーが栽培されている。
線状楕円形で濃緑色をした葉は互生し、全縁で表面は革質で光沢があり、裏面は淡緑色である。枝の先端から毛の生えた大形の円錐花序を出し、小さな黄白色の花を房状に多数咲かせる。開花すると強い特異臭を発し、この臭いに引き寄せられた虫により受粉が助けられている。熱帯地域ではミツバチには高温過ぎるため、花粉を運び受粉する受粉昆虫としてはハエが使われている。なお日本国内のハウス内栽培ではミツバチを用いている。
果実は品種により著しく異なり、長さは5-25cm,幅は2-10cm,色は黄色、緑色、桃色なと変化に富み、紫色の斑点を伴う事もある。果皮は固いが熟してくるとかんたんに剥け、果肉は多肉多汁で白色、黄色、紅色などがある。未熟果では酸味が非常に強いが、熟すと濃厚な甘味が出てくる。松ヤニ様の特有の香りがあるものがあり、この特異なにおいは果肉中にある樹脂道に含まれる樹脂によるものとされている。
果肉の中心にある大型扁平な核は表面に縦溝が多く見られ、表面から多数の繊維が果肉内を走っているが優良品ではこの繊維が少なく食べる際に邪魔とならない。
生食が一般的で扁平な核に沿って果肉を切って食べるが、ジュース、ピューレ、缶詰、ドライフルーツや洋生菓子などにしたり、未熟果を煮物、漬け物、パイ、ソースに加工し、ジャム、ママレード、缶詰などの貯蔵用に用いられる。
果実の成分としてはカロテンが豊富でリンゴ酸、酒石酸、テルペノイドのアンボリ酸、黄色物質のマンギフェリンなどの他、栄養成分として糖分(14%)、脂肪(0.4%)、タンパク質(0.8%)、ビタミンAをはじめとするビタミン類、ミネラル類などが知られている。
インドでは種子を煎じて駆虫剤や下痢予防剤とされるが、8-9%含まれているタンニン類によるものと考えられている。インドネシアでは若い芽を野菜代わりにしたり、老木の材は建具や梱包用木箱に利用される。樹皮から得られるゴム質はアラビアゴムの代用とされる。
果皮にはマンゴールという接触性皮膚炎を起こす成分が入っているので、肌の弱い人ではかぶれないように注意する必要がある。