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二階堂先生の「食べ物は薬」

ヨモギ - 冷え、ストレス緩和にヨモギ風呂

ヨモギ
  • ヨモギ
  • 学名:Artemisia princeps
  • 科名:キク科
  • 英名:mugwort
  • 別名:艾、蓬、モチグサ

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ヨモギの葉 ヨモギの葉と裏面(毛) ヨモギの花 ヨモギの葉と裏面(毛)と花 ヨモギモチ

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日本原産で全国的に分布し、日当たりの良い土手や道端に自生している多年草です。地下茎によって繁殖し、葉は互生し、キクに似て羽状に裂け、鋸歯を持ち、裏面に白い綿毛が密生して灰白色をしています。特有の香気があって早春に若苗を摘み、草餅に入れるのでモチグサとも呼ばれます。秋に黄褐色の目立たない小頭状花を多数付け、花粉症の原因植物となっています。新芽は山菜としてビタミンA, Cを含む、栄養価の高い食材となり、茹でてアクだししたものをゴマ和え、マヨネーズ和え、汁の実、塩漬,味噌漬などにします。重曹を入れて茹でると鮮やかな色となり、水で晒してから調理に用います。つぼみや茎も天ぷらにして食べます。また葉を焙じて塩味を付けてヨモギ茶とすると、香りも良く好まれて飲まれます。

茎葉を乾燥して生薬とした艾葉(がいよう)は、体を温め、止血の効果が知られ、漢方で冷えによる腹痛、腰痛などの鎮痛や、生理不順、帯下、痔、吐血、下血、鼻血や子宮出血などの止血の目的でキュウ帰膠艾湯(きゅうききょうがとう)や柏葉湯(はくようとう)等の処方に用いられます。また食欲増進作用や胆汁分泌促進作用なども知られています。葉の裏面には多数の綿毛があり、艾葉を揉んで臼で突き砕き、篩にかける操作を、繰り返し行って作られたものが艾(もぐさ)として鍼灸に用いられます。良質な艾は水分が多く、灰分、夾雑物が少ないもので、使用時に緩和な熱で心地よく感じられます。また昔、艾は印肉や矢立の墨壷にも使われていました。

成分としてはモノテルペンのシネオールを主成分とし、ツヨンやセスキテルペンなどからなる精油(0.02%)のほか、アデニン、コリンやビタミン類、デンプン分解酵素のアミラーゼなどが知られています。

また根を清酒に半年以上漬けて作ったヨモギ酒は食前酒や喘息に用いられます。民間では、生の葉を揉み、汁を虫による刺傷、切傷に用い、乾燥葉は浴湯用にされます。乾燥葉の煎液を足湯、腰湯にしたり、袋に入れた葉を浴槽に入れて温浴すれば、よく暖まり、肌荒れ、冷え、腰痛などに有効です。また生葉を袋に入れ入浴時に使えば、精油の香りでストレスなどの緩和に役立ちます。


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