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二階堂先生の「食べ物は薬」

ヤブツバキ - 種子油は上質の食用油、花や葉は薬用に、材も貴重な素材として活用

ヤブツバキ
  • ヤブツバキ
  • 学名:Camellia japonica L.
  • 科名:ツバキ科 (Theaceae)
  • 英名:camellia, camellia japonica
  • 別名:藪椿(やぶつばき)、海石榴、海榴

関連画像

ヤブツバキの花と葉、幹 ヤブツバキの果実と葉
ヤブツバキの果実と種子 ヤブツバキの種子
ヤブツバキの花の縦断面 ヤブツバキ01
ヤブツバキ02 ヤブツバキ03

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日本原産の常緑高木で、太平洋沿岸および島の多くに自生しているヤブツバキ系のものがツバキと一般に言われており、照葉樹林を構成する日本を代表する花木です。
 幹は灰白色、なめらかでよく分枝します。
 葉は緑色で短柄を持ち、ほぼ楕円形で堅く、厚くて表面に光沢があって辺縁には鋸歯があります。
 花は冬から春にかけて咲きますが、紅色の花弁をして基部は互いにくっついており、多数の雄しべは基部が輪状に付着して筒状をなしています。雌しべは1本で先端部が三つに分かれており、花が終わると花弁と雄しべは基部がくっついているため、まとまって落ちます。花の基底部に多量の蜜を分泌し、メジロなどがこれを吸いに来ることにより受粉されることから鳥媒花の代表的なものとされています。野生品のヤブツバキでは花が一重の紅色で、やや下に向かって開きますが全開しません。多くの園芸品種では花の色、花の形、大きさなどに多くの変化が見られ、多数の品種が知られています。
 果実は褐色で4cm内外の球形で、厚い果皮を持っており、成熟すると三分裂して三稜形をした黒褐色の種子を現わします。
 含油量の多い(35%内外)種子を絞って得た脂肪油が「ツバキ油」で、性質が「オリブ油」と大変よく似ていることからオリーブ油の代用とされます。ヤブツバキ種子の油100%のものを「ツバキ油」と呼び、サザンカなどの油を混ぜたものは「椿油」「つばき油」と区別されています。油は上質の食用油として用いられますが、軟膏基剤、化粧用や整髪用としても使われます。また不乾性油で粘着性が少なく、酸化による酸化物が生じないため精密機械油としても利用されています。
 花や蕾を摘んで天ぷらや酢の物にして食べられます。
 成分としてはツバキ油の主成分はオレイン酸のグリセリドで、花にはアントシアンやオイゲノールが、葉にはタンニンやクロロフィルが、種子には脂肪油の他カメリアサポニンやカメリンが知られています。
 花は乾燥して煎じ滋養強壮、健胃整腸を目的に飲んだり、葉は止血薬として切傷やおできなどに擂り潰したり、蒸し焼きにしてツバキ油を混ぜて塗布して使います。
 材は堅く、緻密でかつ均質で粘りがあり、木目があまり目立たず、擦り減らないなどの特徴があるので工芸品、細工物や楽器用などの素材として用いられています。特に印鑑や将棋の駒などは代表的な用途として知られています。また木灰は日本酒醸造では最高のものとされており、アルミニウムを多く含んでいるため染色用にも用いられます。種子から油を搾った糟は川魚などを麻痺させて捕る毒もみ漁に使われたこともあります。
花椿、落椿などは春の季語、寒椿、冬椿などは冬の季語として俳句に登場します。


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