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二階堂先生の「食べ物は薬」
ユウガオ - 甘い瓢箪、甘瓢が干瓢の原料
- ユウガオ
- 学名:Lagenaria siceraria var. hispida
- 科名:ウリ科
- 英名:bottle gourd, white flower gourd
- 別名:夕顔、扁蒲
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北アフリカ原産とされる1年生のつる性植物で、暖地に多く栽培される。栃木県では250年以上の栽培の歴史がある。植物学的には同一種とされるヒョウタン(瓢箪、苦瓢)の中で食用とする目的で苦味成分のククルビタシンの少ない品種を選別してできたものとされている。したがってユウガオは甘い瓢箪なので甘瓢とも呼ばれる。
茎は長く他のものにまつわり、軟毛を有し2分した長い巻きひげがあり、葉は柄がある円心形をして、軟毛があり、互生している。夏期に葉腋から夕方に白色花を咲かせ、翌日の昼前にはしぼむ事から夕顔、ユウガオの名が付けられている。果実の形から40-90cmの円柱形をした細長いナガユウガオと、丸くて大型のマルユウガオに大別される。
若い果実を煮付け、あんかけ、漬物などにして食用とするが、果実を細長い帯状に剥いて、天日干しして干瓢(かんぴょう)に作り、寿司、汁物などに用いるのが一般的である。干瓢には特有の甘味があり、煮物にして色々の料理に使われるが、特に精進料理では賞用される。また郷土料理の「クジラ汁」(新潟県)の具にしたり、秋田県地方では生のものを味噌汁の具にすると言われている。完熟した果実は乾燥、加工して火鉢、花器、お盆、置物やお面などに用いられる。
干瓢の成分としては豊富な食物繊維の他にミネラルのカリウム、カルシウム、リン、鉄などや葉酸が知られている。果実や干瓢を食べると利尿効果があるとも言われている。
スイカ栽培の接ぎ木用台木に利用される事があり、このような台木用の品種からなった果実にはククルビタシンが多く含まれているものがあり、嘔吐や激しい下痢、場合によっては舌や口中のしびれなどの食中毒が見られる事がある。調理前に切り口を嘗めてみるなどしてチェックする必要がある。