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二階堂先生の「食べ物は薬」

ワカメ - ヨウ素が豊富で精神安定作用

ワカメ
  • ワカメ
  • 学名:Undaria pinnatifida
  • 科名:褐藻類 コンブ科
  • 英名:wakame, sea mustard, precious sea grass
  • 別名:メノハ、オシキメ、トノメ、メ、ニギメ、若布、和布、稚海藻、裙帯菜

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ワカメの葉と茎(1)、胞子葉(2)、根(3) ワカメ ワカメ ワカメ汁

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北海道の室蘭、礼文島以北と紀伊半島以南を除く日本各地沿岸に分布して、干潮線付近から6~16mの深さの所に生育しています。三陸地方が養殖のメッカで、市場品の90%が養殖によるほどです。

繊維状をした仮根部分で岩などに付着して、偏円状をした仮茎を主軸として、それを中心にして左右に仮葉が羽状に裂片となって1~2mの高さで付いています。仮根の上部、広がった仮葉の基部に厚く折り重なって、仮葉が縮まった部分が通称「ミミ」と呼ばれているメカブ(和布蕪)です。生殖細胞が集まっている部分で表面にできた遊走子(泳ぐ胞子)を出すと枯れてしまいます。

形態の上から北方系のナンブワカメと南方系のワカメ(ナルトワカメを含む)とに大別されています。 

冬から春に繁茂し、春に採取します。生の状態では褐色ですが、湯に通すと緑色になります。生のものを酢で和えたり、味噌汁の実にしたり、炒め物、サラダや天ぷら、しゃぶしゃぶなどにも使います。縄文時代から食べられていたことは遺跡からも知られていますが、食習慣としては日本と朝鮮半島に限られていました。しかし近年では中国でも食べられるようになりました。仮葉部分をそのまま乾燥したり、塩漬けや灰をまぶして乾燥させて保存性を高めて商品とされています。

乾燥重量の40%を占める食物繊維は不溶性のコレステロール(20%)と、水溶性のアルギン酸(80%)から成っています。その他ビタミンA,B2、ヨウ素、カルシウム、リン、鉄などが豊富に含まれています。

体内代謝の活性化をするヨウ素が豊富で精神安定作用があります。特有のぬめりは水溶性食物繊維のアルギン酸で高血圧予防、高脂血症、動脈硬化を防ぎます。ヨウ素は油と一緒に取ると吸収率が上昇しますので、味噌汁、酢の物を作る際にゴマ油を数滴垂らすと風味と薬効が増してきます。

乾燥したものを裙帯菜(くんたんさい)と呼び、コンブと同じ様に強壮薬、利尿薬として用いられ、ヨウ素やアルギン酸製造の原藻としても用いられます。


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