20代後半の女性、身体が浮腫んで仕方ないと漢方相談に来店。
浮腫み易く汗をかかない。起床時既に浮腫んでいる、夕方になると浮腫み感は増大する。
季節の変わり目には鼻炎を発症し、鼻づまりで困る。
という訴えです。
実際お会いすると色白で、浮腫みのためかなり体重も多め。
とにかく口渇がひどく、常に水やお茶で口の中を潤していなくては辛くて仕方ない。
以上の症状を聞くと先ず「五苓散」などの利水剤を念頭に話を進めて行きますが、
次の症状が気になります。
・ひどい口渇
・鼻炎
そこでもう少し掘り下げて話をお聞きすると
小学生の時に風邪を引いたのがきっかけとなり扁桃腺肥大し、20代になるまでそのままの状態が続いていた。
数年前に肥大した扁桃腺の除去手術を実施。術後から口渇が発現、以来今日に至る。
風邪をきっかけに扁桃腺が肥大しそれが続く、これは温病体質の特徴と見てよいでしょう。
さらに肥大した扁桃腺を切除(陰虚)したわけですから益々温病体質(陰虚発熱体質)傾向は進むわけです。
そこで滋潤清熱効果のある方剤を利水剤(五苓散のような温剤ではありません)と併用する事にして1週間ご用意。
1週間後に来店された折に、とにかく口渇が楽になり、あれだけたくさん飲んでいた水・お茶を飲まないで済んでいる。
更にお小水のでも大変によくなり、身体が軽くなっているのが実感できる! と。
「同じ漢方薬をしばらく服用してみます!!」と喜んで帰られました。
恐らく利水剤だけでは効果がでなかったと思われるケースです。
お話はよくよく掘り下げて聞くものです。