便通を調えたり、お小水の出を良くしたり、胃腸の調子を調えたり、蓄膿症の鼻づまりを解消したり色々症状に痞える薬草です。
よく巷ではドクダミも漢方薬と勘違いされていらっしゃる方も多いようですが、実はドクダミは漢方薬ではありません。民間薬です。民間薬と漢方薬には厳然とした違いがあるのですが、ここでは詳細は省きます。

このドクダミは初夏、だいたい5月下旬から6月上旬にかけて咲くものです。
ドクダミとは植物名であって生薬としてのドクダミは「ジュウヤク」と名を変え、日本薬局方には花期の地上部を用いることが明記されています。丁度今の時期のドクダミの地上部(根は用いない)を採取して陰干ししたものが薬草「ジュウヤク」というわけです。
この時期(初夏)ドクダミに白い十字の花が咲き、そのうち蛍が飛び、地虫が”じー!”っと鳴き始めます。
気温が上昇してくると同時に湿気も上昇してきます。
この湿気は健康を害する物として人体に作用するとき”湿邪”と名前がつきます。
湿邪は肉体の色々な部分に不都合をきたします。筋肉に作用すると痛みや痺れ、腰だとギックリ腰、首だと寝違えなんてことになります。
胃腸、特に胃に作用すると”湿困脾(しつこんぴ)”といい、”食欲不振”身体の”だるさ””重さ””しんどさ”或いは”めまい””悪心”といった症状がでてきます。
当長全堂でも気温と湿度の上昇に伴いkの半月の間に湿困脾の症状を訴え来店相談される方が数人いらっしゃいました。普段から脾胃の働きが悪い人にとって、この季節湿度の上昇に敏感に反応してしまうのです。
湿困脾の対策には白朮の配合された処方を使用するのは当然で、健脾作用を持つ色々な処方を駆使します。
ひどいめまいの女性でしたが、1日分の茯苓飲で治まったのはつい昨日のことでした。
この湿困脾の状態を改善せず夏まで持ち越すと”夏バテ”に至ってしまうこともあります。
早めの対策をお勧めします。