去る2月25日(土曜日)NHKで「夜なのにあさイチ~漢方スペシャル」という番組で漢方の特集が放送されました。漢方を生業としている者として見逃せないと思い録画もしてはりきって拝見しました。
見終わってみると??疑問??がいくつか湧き上がってきました。
先ず大きく「何故NHKがこんな漢方の番組を制作したのだろう?」
疑問
何故漢方の基本原理の”陰陽・虚実”について一言も触れていないのでしょう?
疑問
番組の中で補中益気湯や四逆散、五苓散といった処方を運用されているところがありましたが、これらの処方を運用する根拠・理由について一切説明がない。
疑問
古方派と言われる日本漢方が独自の発展を遂げてきたことに異論はありませんが、その日本漢方を守り続けてきたのは市井の薬剤師が中心ではなかったか?そのことには一切触れず、司会の有働アナウンサンーは過去に高価な漢方薬を買わされたとまるで薬局を悪者にするかのような発言があった、何故?
疑問
漢方薬には副作用が少ないのは事実ですが、注意を要する処方は多くあります。補中益気湯もその一つで証の合わない方が服用すると血圧をあげてしまいます。
番組の中で認知症の治療に抑肝散を紹介していました。漢方を生業とする者にとって
「抑肝散は認知症の治療に用いられるが、認知症の治療薬は抑肝散だけではない!」
ことは常識ですが、この点の説明・解説がない、何故?
要するにこの番組はNHKによる医師の漢方を賛美する内容になっているように思いました。
見ていてストレスが溜まる番組です。
そうじゃないよ!! って叫びたい!!
夜なのにあさイチ~漢方スペシャル
長全堂薬局 (山口県萩市)
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更新日: 2012/02/26 |