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男性 40歳代 
「一昨日から急に何だか楽になった」と言ってくれたのは、ある大きな仕事が入って、それが喜びではなく、苦痛に感じた人の話だ。傍から見たら、幸運でしかないのだが、本人にとっては気持ちがふさぎ、起き上がるのも苦痛な倦怠感の始まりだった。
 ある方に頼まれてお世話を始めたのだが、2回目に作った漢方薬の残り2日前に急に回復の方へベクトルが向いてくれたみたいだ。会うのが今日で3回目だが、明らかに表情が緩んでいて、出てくる言葉が重くない。本人の口から楽になったと評価の言葉が出た。
 2週間目に訪ねてきたときには、何ら変化を起こすことは出来ていなかったから、よく2週間で漢方薬を諦めなかったものだと思う。そのことが、恐らく完治への道を開いたのだと思う。紹介してくださった方が、ずっと心療内科だけの薬を続けていていいのかと心配してくださったのだが、その方自身が漢方薬で同じ症状を何度も克服してくれているので、あわよくばと紹介してくださったのだろう。
 心療内科の先生の足元にも及ばない漢方薬局だが、そういった方の回復を早めるお手伝いは結構できる。ハーブの力を借りて、心地よくなっていただければ、病院でいただいている精神病薬だけの治療よりずいぶん早く回復し、運が良ければ精神病薬から解放されることも経験している。
 さすがに重症の方には僕らは手出し出来ないが、うつうつと暮らしている人たちのお手伝いなら大いにできる。
 転がり込んだ幸運が気持ちを傷つける。心は時に強く、時に弱く。


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