人に備わった感覚は、
冷やされると鈍くなり、温められると鋭くなる傾向にあります。
これは誰にでも憶えがあるはずで、
例えば、ジュースを温めて飲むと、驚くほど甘い。
ジュースに含まれる甘みは変わりませんが、
口の中が冷やされた状態では味覚が鈍くなっているわけです。
逆に香辛料をふんだんに用いた料理は、
温かいうちに食べると辛さを強く感じますが、
冷めてしまうもそうでもなくなってしまう。
また例えば、虫刺されした場所を氷で冷やすと、かゆみを感じにくくなります。
肌が冷やされた状態では、かゆみを感じる感覚が鈍くなっているわけです。
これから先の季節、
寒さや乾燥といった刺激は増していきます。
ですが一方で、私たちのからだの
「寒さや乾燥を感覚する部分」はどんどん鈍くなっていきます。
刺激は大きくなっていくが、刺激を感じるアンテナが鈍くなっていく。
まるで時限爆弾を抱えたような状態です。
すなわち、鈍くなった感覚が何らかの理由で急に温められると、一気に鋭くなる。
すると、強い刺激が一気に感覚を直撃する。
そうして私たちのからだはさまざまなトラブルを引き起こすわけです。
寒い外から帰って温かい部屋に入ると、
無性に肌がかゆくなる、なんてことを経験した憶えありませんか
これはその典型といえます。(つづく)
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更新日: 2014/09/05 |