今回は、痔の種類について、まとめてみました。
(1) 痔核(いぼ痔): 肛門のまわりに集まっている静脈が、うっ血を起して、血管がイボやコブのようにふくれあがってしまったもの。
(2) 内痔核 : 歯状線より上方にできるもの。普通3~4個、多い時には6~7個のイボができる。この部分は知覚神経がないので、痛みはないが出血は、軽く紙につく程度のこともあれば、ポタポタしたたり落ちることもある。
(3) 外痔核 : 歯状線より下、つまり肛門出口のほうにできるもの。この部分はもともと皮膚であり、知覚神経が分布しているので、出血だけでなく、痛みがある。
(4) 痔裂(切れ痔): 肛門内側の粘膜の表面に、亀裂や潰瘍を形成するもの。神経過敏なところだから、小さな傷でも排便時、非常に痛みを感じる。その痛みのために、反射的に内括約筋が、ケイレンを起こすので、ケイレンが続いている間、ずっと痛みが続く。出血を伴うこともあるが、量はそれほど多くない。
(5) 脱肛(ぬけ痔): 肛門部の粘膜が、かたまりとなって肛門の外へ飛び出してしまう病気。場合によっては、疼痛えお伴う。
(6) 痔瘻(あな痔): 便の中の細菌(主に大腸菌)が肛門管の一部から侵入し、炎症を起こし、膿がたまって、肛門周囲にトンネルをつくり、排膿するもの。また、いつも、分泌物が出て、不快感がある。
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<人間特有の病気>
排便の痛み、出血だけでも、耐えがたい痔! 腫れや膿で、常に不快感に悩まされる痔! 症状がすすめば、歩行が困難となるばかりか、寝込むほどにもなる痔! 痔は、四足動物には見られない、人間特有の病気と言われています。動物(ウサギ)を使って痔をつくる実験をしてみても、痔の出来る兆候すら起きなかった、という結果も出ています。 なぜ、四足動物には、痔が出来ないのしょうか? それは、四本足で立ち、体が横になっている状態では、下半身が圧迫されることがないからです。 つまり、二本足で立っていると、心臓は上、お尻は下になります。従って、重力の関係で、どうしても肛門部の静脈は、うっ血しがちになってしまうのです。 <漢方薬と健康管理で治る> 一口に痔と言っても、その症状はさまざまですが、大きく分けると、痔核(いぼ痔)、痔裂(切れ痔)、脱肛(ぬけ痔)、痔瘻(あな痔)の四種類に分けられます。 このうち最も多いのは、痔核で、次いで、痔裂になっています。この二つが、痔疾患の約70%を占め、残りが脱肛、痔瘻、その他になっています。 痔は、肛門疾患であるという羞恥心から、苦痛を我慢される方も多く、『たかが痔くらい!』と放っておいたりすると、症状が進んでしまうことがあります。そして、ついには、手術以外に治す道はないということにも、なってしまいます。 私たちが生きていくためには、物を食べなければならない以上、毎日使う肛門なのですから、粗末に扱わないようにしましょう。 また、 痔瘻は、細菌で起きるだけに、やっかいな状態で、多くの場合、膿のモトを取り除いてしまう手術が必要ですが、大半の痔は、特に初期の段階であれば、漢方薬と適切な健康管理で、治すことができるのです。 次回は、痔の種類 について、詳しく紹介したいと思います。 |
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更新日: 2010/03/17 |
アレルギー性鼻炎 〔4〕
神戸ファーマシー (神戸市中央区)
養生方法IIとしては。。。
<<<身体を鍛える>>> 〈1)皮膚の鍛錬を毎日続ける。 皮膚を鍛錬することで、自律神経の働きを整え、鼻粘膜の過敏性を軽減し、アレルギー性鼻炎の苦情を楽にしていきます。 皮膚の鍛錬方法としては、乾布摩擦や冷水摩擦、冷水浴や冷水洗顔があります。 乾布摩擦は乾いたタオルで、冷水摩擦は水で絞ったタオルで、手足の先から心臓の方へ向けて、皮膚をこすっていくようにします。冷水浴は、入浴の最後に心臓から離れたところから、徐々にシャワーや洗面器で冷水をかけていく方法です。また、冷水洗顔は一年中、冷水で洗顔することをいいます。 ただし、このような鍛錬を短期間に行っても、すぐに効果が現れるというものでもありません。根気よく続けていくことが大切です。 また、発熱のある時や、風邪をひいて鼻汁が膿性になっているときは、冷水浴は控えてください。 そして、アトピー性皮膚炎や湿疹などになっている場合は、乾布摩擦や冷水摩擦で湿疹部をこすると悪化させることもありますので、皮膚の鍛錬を行う場合は、冷水浴にすると良いでしょう。 〈2〉軽い運動を毎日続ける。 運動することは、ストレスを発散し、血行を良くして鼻づまりなどを楽にし、体力をつけることにつながります。そして、アレルギー性鼻炎の症状を少しでも軽くすることができます。 しかし、運動の種類は、自身が好むものであれば何でもよく、また、運動を始めたからすぐに効果が現れるものではありませんので、無理をせず、楽しみながら長続きできるものが良いでしょう。 ただし、季節性のアレルギー性鼻炎のように花粉が原因の場合、花粉が飛ぶ季節には、屋外で行う運動には、注意が必要です。 <<<食生活の注意>>> 〈1〉胃腸に負担をかけないこと。 漢方の考え方の中に、陰陽五行説というものがあります。 この考えでは、鼻が病気のときは、胃腸に負担をかけると、鼻の病気はなかなか治らないといわれるものです。 冷たいジュースやスナック菓子といった間食ばかりを食べたり、不規則な食生活をしていると胃腸に負担をかけて、鼻の病気を長引かせてしまいます。 〈2〉食事のバランスに気をつける。 野菜やミネラルを多く含むバランスのとれた食事内容が大切です。 アレルギー性鼻炎についてのトピックを、4回にわたりご案内してきましたが、今回で終わります。 |
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更新日: 2010/03/03 |
アレルギー性鼻炎 〔3〕
神戸ファーマシー (神戸市中央区)
アレルギー性鼻炎における注意事項をあげると。。。
アレルゲン(アレルギーを起こす物質)に接触しないこと。 通年性のアレルギー性鼻炎では、ハウスダスト(ほこりやチリ、人の垢やふけ、ダニ、動物の毛、カビ類、畳の繊維など)がアレルゲンになりやすいことから、こまめに掃除を行うことが大切です。 また、ハウスダストの中では、ダニがアレルギー性鼻炎の大きな原因となります。このダニが成育しないような室内環境を作ることが最も重要です。 ダニが人の垢やふけを餌にしていることから考えると、シーツや枕カバーにも繁殖している可能性があります。シーツや枕カバーはこまめに洗濯し、布団はよく日光に干して乾燥させ、清潔にしておくことが大切です。 季節性のアレルギー性鼻炎では、最大の原因が花粉であることから、花粉との接触を避けることが必要です。 花粉が飛ぶ時期の外出はなるべく避け、どうしても外出しなければならない時は、帽子、メガネ、マスクなどを着用します。 外出から帰って来た時は、玄関前などで入室前に衣類に付いた花粉を払うことも忘れてはいけません。当然、家族の方も、同様に衣類に付いた花粉を払うように協力してあげることも必要です。 養生方法としては。。。 <<<身体に負担をかけないようにする>>> 〈1〉急激な温度変化は避ける。 気温の急激な変化は、鼻粘膜への刺激となり、鼻粘膜の過敏性を増加させ、アレルギー性鼻炎の症状を悪化しやすい状態にしてしまいます。急激な温度変化にさらされる時には、口と鼻をハンカチで覆うとか、それに合わせた服装にすることが大切です。 〈2〉喫煙や飲酒は避ける。 たばこの煙に含まれる化学物質は、鼻などの粘膜を刺激し、アレルギー性鼻炎を悪化させることがあります。アレルギー性鼻炎の人はもちろんですが、周囲の人たちも、たばこを吸わないようにするべきです。 飲酒は、鼻の粘膜に充血やうっ血を起こしやすく、アレルギー性鼻炎での鼻づまりは、鼻粘膜の充血やうっ血が原因であることから、やめておくべきです。 〈3〉風邪に注意する。 風邪を引くと、風邪ウィルスの感染によって鼻などの粘膜が障害され、過敏性を増します。こんな時、アレルギー性鼻炎の症状が出やすくなったり、ひどくなったりします。 〈4〉不規則な生活やストレスを避け、過労、睡眠不足にならないように、心がける。 アレルギー性鼻炎の症状の発現には、自律神経の働きが深くかかわっています。不規則な生活やストレスは自律神経のバランスを崩し、アレルギー性鼻炎の症状を悪化させます。また、心身共に疲れていたり、睡眠不足だったりすると、アレルギー性鼻炎を悪化させる間接的な原因になります。 次回も、引き続き、養生方法II についてご案内したいと思います。 |
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更新日: 2010/02/22 |
アレルギー性鼻炎 〔2〕
神戸ファーマシー (神戸市中央区)
<アレルギー性鼻炎の発症メカニズム>
(1) 抗原が体内に侵入します。 (鼻の粘膜に花粉などが付着すると、花粉などの中から抗原が溶け出して、鼻粘膜に侵入します) (2) 抗体が作り出されます。 (花粉などの抗原を認識すると、それに対抗する抗体(IgE)が体内にでき、肥満細胞(鼻炎症状を起こす物質をたくさん含んだ細胞)と結びつきます) (3) 再度抗原が侵入すると・・・ (抗原が侵入してくると、肥満細胞に付いた抗体は抗原と結合し、肥満細胞から鼻炎症状を引き起こす物質(ヒスタミン等)が放出され、くしゃみ、鼻水などのアレルギー症状が出てきます。 そして、自律神経にも、深くかかわっていると言われています。 自律神経に、「交感神経」と「副交感神経」という互いに拮抗しあい、バランスをとっている神経があるお話は、『ストレスとリラックスのバランス 』というトピックにおいて、ご紹介させていただきましたが、鼻炎においても、関係があります。 鼻には、鼻水を出す分泌腺や血管の拡張と収縮を調節する自律神経が分布していて、分泌腺には副交感神経が、血管には交感神経と副交感神経が分布しています。 アレルギー性鼻炎が起きると、自律神経の交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、副交感神経の働きが強くなってしまいます。そうすると、分泌腺から鼻水が出たり、血管が拡張するので、鼻粘膜がうっ血して腫れ上がり、鼻づまりといった鼻炎の症状を引き起こします。 このように、自律神経のバランスも、アレルギー性鼻炎にかかわっているのです。 <アレルギー性鼻炎の症状> 三大症状として、くしゃみ・鼻みず・鼻づまりがありますが、時には、涙目、目のかゆみ、喉のかゆみ、頭痛など鼻以外の症状も出ます。しかし、アレルギー性鼻炎だけの症状でなく、他の鼻の病気の時にも、起こることがあります。 それを見分ける一つの目安として、くしゃみがあります。鼻風邪などの急性鼻炎の場合のくしゃみは、2~3日ぐらいしか続かず、長くても1週間を越すことはありません。しかし、アレルギー性鼻炎の場合は、抗原がなくならない限り、このくしゃみが続きます。 また、急性鼻炎から、慢性化してしまい、慢性鼻炎となった場合でも、アレルギー性鼻炎と見分ける一つの目安があります。それは、鼻みずの状態です。慢性鼻炎の場合は、粘液性、または、粘膿性を持っていますが、アレルギー性鼻炎の場合は、一般に水のようにサラサラしています。 次回は、養生方法 (注意含む)をご案内したいと思います。 |
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更新日: 2010/02/08 |