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薬局・薬店の先生による健康サポート

色々な下痢

下痢は夏期に多くなる食中毒菌による下痢や、急性胃腸炎にともなう嘔吐下痢、また冷房や冷たい飲み物の取り過ぎにより皮膚やお腹を冷やして下痢するなどの急性のものと、胃腸虚弱や過敏性腸症候群などによる慢性の下痢があります。
また腸の炎症による潰瘍性大腸炎やクローン病など難治性の下痢もあります。

予防の3原則

細菌性食中毒では “つけない” “増やさない” “やっつける”というのが予防の3原則で、手洗い、食品の低温保存、冷蔵庫を過信せず早めに食べる、生ものは避け加熱するなどが大切とされています。

防御能力を高める

漢方薬はむしろ生体側の防御能力を高めることによって下痢を予防することに優れています。

  • 皮膚やお腹を冷やさない
  • 規則正しい時間に食事をする
  • バランスの良い食事などは善玉菌を増やし、お腹を丈夫にして生体防御能力を高める

ために大切な養生です。

養生だけでは、ダメな場合は、お腹を丈夫にするための優れた漢方薬がいろいろあります。
それらを用いてもいいでしょう。

最近多い過敏性腸症候群

過敏性腸症候群はストレスが原因でおこる心身症ともいわれています。
最近は若い人に多く便意を頻繁にもよおすので電車に乗れない、外出するのが不安など日常生活に支障がでます。

症状は腹痛、下痢、お腹が脹る、ガスが多い、下痢と便秘が交互におこるなどです。

胃腸はストレスに敏感に反応する内臓ですが、この病気を発症するのは基本的に胃腸が弱っていることにあります。
また胃腸は自律神経という独立した神経系によって制御されているので自分の意志ではコントロールできません。
さまざまなストレスの多い現代社会では、ストレスから逃れることは難しいのが現状です。
ただ一時的に腹痛、下痢を抑えるのでなく、ストレスに強いお腹を作ることをおすすめします。


店主からヒトコト

漢方薬は、今の症状を抑えるだけでなく、しばらく続けて服用することにより、ストレスに強いお腹を作る働きもあります。
お腹を丈夫にし、元気な体を取り戻すと、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上が期待できます。
是非、漢方薬で下痢の体質を改善し、快適な生活を送りましょう。


先生の紹介

プロフィール 博方堂クメカワ薬局 粂川 義雄先生博方堂クメカワ薬局
薬剤師
粂川 義雄先生

略歴

東京薬科大学卒業、現在、博方堂クメカワ薬局経営。
1976年漢方研究会、温知会に入会し矢数道明先生より指導を受け漢方の研究を始める。
元東京医療福祉専門学校漢方概論講師。
共著書に「現代語訳啓迪集」「実用漢方処方大成」「図説東洋医学」「東洋医学用語集」などがある。

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