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後鼻漏=分泌物の切れの悪さ?
かぜや蓄膿症、アレルギー性鼻炎を通じて、鼻汁や痰をたくさん出す。そういう症状が長く続いてしまうと、分泌に歯止めが利かなくなり、分泌物が溢れることで、患部の粘膜は水浸しのような状態になります。
水浸しになった粘膜は潤け(ふやけ)と共に、水腫や熱腫を生み出し、それがまた後鼻漏の引き金となります。
そうして繰り返される悪循環が分泌物の切れを悪くして、
後鼻漏を長引かせます。
分泌物の増加は本来、体から異物(例えばウィルスや花粉)を排除する為の反応ですが、後鼻漏の場合にはその限りではありません。
排除すべき実害が存在しないのに、分泌が継続する。
漢方ではそうした状態は、正気の虚を反映すると考えます。
鼻が利かない(臭いを感じにくい)ことや、
鼻づまりを起こしやすい状態をしばしば「鼻が悪い」と表現しますが、
それは要するに鼻の正気の悪さ(≒正気の虚)を意味する訳です。
後鼻漏=脾・肺の虚?
漢方では、後鼻漏は脾と肺の不調を反映すると考えます。
脾と肺は分担・共同して、呼吸器の分泌機能を支えており、脾は呼吸器周辺の粘膜・肌肉の水はけを整え、肺は分泌物に歯止めを利かせます。
後鼻漏の場合には、脾と肺の不調は、
垂れてくる分泌物の性状(色調や粘度)に反映されます。
特に、色が透明で水っぽくなるほど、
分泌物は脾・肺の虚を伴う気虚痰の傾向が強くなります。
また脾と肺の間には親子関係があり、肺の不調が脾を脅かすことで、
症状を重くしたり、長引かせる為に注意が必要です。
後鼻漏は鼻炎や蓄膿症の延長で現れる場合が多く、その発症を自覚しにくい症状です。
けれど一方で、初期の病状は、肺の不調に限られる(脾の失調を伴わない)ケースも多く、そうした段階で適切な治療を行う事が、後鼻漏解消の近道です。
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