健康トピックス 「福田漢方の思い・考え」

前立腺がんの方、
ホルモン療法、放射線療法をしていて、PSAも安定しているのだけれど、
夜間尿が多くて困っていますとのことで来院。
ひっきりなしに行くトイレで睡眠障害を起こしている。

漢方薬という選択もあったけれど、
がんの転移予防および免疫増強も視野に入れ、
夜間尿に評判のよいニンニクレクチン製剤で。

一日一回、一カプセル、夕食後。で開始。
一カ月後、来院して、
夜間尿が激減しました!
良い報告が聞けて良かった。
誰のために医療はあるのかと言えば患者さんのため。
漢方の専門家といえども、漢方に固執するのでなく、
その時点でベストと思う事でお手伝いできることを提案すると良いと思います。

     

キーワード別 一覧へ

お薬の安全情報が届いて・・・・
ある種の血圧の薬が妊婦さんにはNGだと。
胎児に悪影響が出る恐れがあるらしい。

薬の安全情報が届く度に、合成薬品の影の部分が浮き彫りになってきます。
もちろん、漢方薬も副作用がありますが、
使い方を間違わなければ問題なく、合成薬品の比ではありません。

先日、前立腺肥大のある方が、
「風邪引いても、市販薬飲んだらアカンと言われています。
でも、病院で葛根湯もらって飲んでも全く効かないので困っています。」と。
診たら、葛根湯の証ではない。そら効きません。

いろいろな要因で合成薬品がNGな人に、
東洋医学は応える事が出来ると思います。
ただし、葛根湯の例のように、専門家の診立てが必要です。

   

キーワード別 一覧へ

人は誰でも大なり小なり悩みのあるものですが、
普段、世間で相談に乗るという事は、
話を聞いて、「あーすればいい、こうすればいい」というアドバイスを与えたり、
「しっかりしなさい」と叱咤激励したり となります。

また、病気かなと思って、病院で症状を伝えても、
短い時間の診察では、充分伝わっていないという思い、
理解してもらえていないという思いで満足できず、
薬だけでは効果は薄いものです。

悩みの深い人には、短い時間では、「わかったふり」になってしまって逆効果の事も。

先日、あるご婦人。
過去にさかのぼって現在に至るまでの経緯と今のストレス、症状を延々と話された。
こちらも、相当の覚悟で時間を取っていたので付き合う事が出来たのですが、
話し終わって、こちらも薬をお出しするのに必要な情報を収集して一段落した時、
「いろいろな所行ったけど、初めて症状を理解してもらえました。」
と言ってくださった。

まず、聞く。
そして、どれほど苦しい思い辛い思いをされているのか
わかろうとする事が何よりも大事だと思うのです

「相談しがいのない人」 にならないよう心していきたいと思います。

         

キーワード別 一覧へ

肝硬変=不治の病。
そういう認識は定着していることでしょう。
確かに、肝硬変になってしまっている部位は
いわば「終わっている」部位で、良くなる事はありません。

しかし、肝硬変の人でも、
「生き残っている」部位を大切にすることで
何とか肝臓の仕事ができるように保ちつつ
寿命を延ばす事が出来ると思っています。

肝硬変で腹水のあるような人でも、
10年以上 生き延びることを目指したい。そう思っています。

もちろん、病院の治療や食事制限、無理をしない など
良かれと思う事はした上で、
漢方薬を症状に合わせて服用していきます。

「水毒」のある人はそのような処方を
「瘀血」のある人はそのような処方を
「元気」の低下のある人にはそのような処方を考えつつ
補肝・補腎、血管の強化を考えていきます。
漢方で何とかなるケースもあると思っています。


 

キーワード別 一覧へ

半年ほど前に、全速力で走って膝関節を痛めた人。
病院で水を二回ほど抜いてもらった。
今は水が溜まってないが、動かすとまた痛みが出そうで怖くて歩けない。
家事もままならず、ましてや外出して買い物など恐怖。
整形での治療に限界を感じて来院された。

診ると、膝に水は溜まっていない。
筋肉が硬くなってはいるけど どこかにすごい炎症が起こっているわけでない。
それよりも恐怖心で心の硬さが筋肉の硬さにつながっているように思えた。

そこで、治療は、心と筋肉をほぐす事に主眼を置いて、
漢方は気の巡りをよくし、水分代謝も良くし、血流も改善するという処方を考えた。
気>水分>血 のバランスで考え、「大丈夫です。○○くらいなら歩いて行けます」と
徐々に自信をつけるべく、太鼓判を押してあげた。

すると、ロックが解除されたかのように、少しづつ歩ける距離が延びていき、
でも、「足がだるい」「腫れる、むくむ」「恐い」という訴えを繰り返しつつ、
「○○まで歩いて行けました」
「階段の上りはできるようになりました」
「階段の下りもできるようになりました」・・・・・・と。

昔、「医師話術」という本を読んだ事を思い出した。
何気ない言葉も含めて、
その方がどうとらえるかを常にアンテナを張って声かけをする事が如何に大事か。

自分も勉強になった症例でした。

   

キーワード別 一覧へ