前回、”気滞血瘀”の説明をしましたが、
”瘀血”になる理由は、他にもあります。
まず一つ目は、事故、ケガ等が原因でおきる場合。
ケガ、骨折等により急に経絡が寸断され、
そこに”瘀血”が生じます。
ケガをして痛くなるというのは”瘀血”の症状なのですが、
ケガが治っても、”瘀血”は完全に修復しておらず、
天気が悪い日に痛んだり、朝起き掛けに痛んだりします。
この場合の”瘀血”の改善には、活血剤を使います。
また、ギックリ腰のような、
キリキリとした急激な痛みに対しても、活血剤を中心に使います。
この場合の発症因子は、”内因、外因、不内外因”の中の、”外因”になります。
漢方では、気が血を引っ張ると考えるので、
気が滞れば、血も滞ります。 この状態を、”気滞血お”と言います。 今日は、この”気滞血お”について説明いたします。 気が滞る原因は、肝が気を巡らせられなくなった為で、 肝は『怒り』『我慢』によって、働きが悪くなります。 この状態を”肝鬱気滞”と言います。 この時の肩こりの痛みは、張痛(張ったような痛み)になります。 これが長引いてくると”血お”の痛みに変わり、刺痛(刺すような痛み)となります。 また、”血お”の痛みは頑固で、改善するのに時間がかかります。 ”お血”をとる漢方薬は、桃仁、紅花が有名です。 ”気滞血お”の場合、疏肝理気+お血をとる漢方薬を使います。 代表的な処方に、血腑逐お丸、冠元顆粒等があります。 |
ツイート |
更新日: 2017/02/22 |
今回は、気滞について説明致します。
気滞は、漢方では「肝・心・脾・肺・腎」の内、肝臓が気を巡らすと考えます。 漢方では、”肝臓”と言わず、”肝”と言います。 気滞の漢方薬は、疏肝理気薬を使います。 ”疏肝”は、肝の働きを良くするという意味で、 ”理気”は、気を巡らすという意味です。 柴胡で疏肝すると同時に、肝血を補う芍薬を使います。 また、理気薬として薄荷、香附子、木香などを使います。 代表的な処方に柴胡疏肝湯があります。 柴胡、芍薬、枳実、甘草、香附子、川キュウ(草かんむりに弓)、青皮の組み合わせで構成されています。 |
ツイート |
更新日: 2017/02/15 |
今回は、いわゆる自律神経の乱れについてお話いたします。
自律神経の乱れは、漢方では”肝の失調”と考えます。 肝は、五志では『怒り』です。 『怒り』は、ふつうは極端に怒った場合もありますが、 何かを我慢するのも『怒り』だと、私は考えます。 『怒り』を我慢している状態だと考えると、 分かり易いかも知れません。 この『怒り』により、”肝の失調”となり”気の失調”となります。 症状としては、肩こり、首筋の凝り等があります。 ”肝の失調”により、気が滞り(気滞)、肝の経絡に沿って張った様な痛みが現れるのです。 揉んだり、ストレスが軽減することで、この症状は改善しますが、これが長引くとなかなか治りません。 次回は、気滞とお血とその処方について説明致します。 |
ツイート |
更新日: 2017/02/08 |
気を巡らせるのは、漢方では肝臓の“肝”と考えられています。
ストレス(怒り)、イライラ等により肝の失調がおき、 気の失調となります。 そうすると、上はのぼせて、足は冷えるといった症状が現れます。 また、更年期では 必ず肝の失調を伴いますが、 これは、女性のホルモンバランスで肝の失調がおき、 これにより、気の失調がおこります。 この場合、カーッとのぼせたかと思うと、スーッと冷え、 “カースー病”と言われる時期もありました。 漢方では、いずれも肝の失調なので、疏肝理気薬を使います。 のぼせが強ければ、上の熱をとり、 足の冷えがあれば、少し冷えをとる漢方薬を加えるようにして、 その人に合わせないと効きません。 |
ツイート |
更新日: 2017/02/01 |