彼を知り、己を知れば、百戦殆うからず。
養生も同じです。ある時期、ある季節を快適に過ごそうと考えるならば、まずはその時分のことをよく知らなければなりません。「水を飲む」という動作を一つ取っても、年中同じように行うものではなく、本来はその時期や自身の体調に合わせて茶葉などを利用してその「質」にこだわるべきものです。東洋医学の盛んだった時代は、今のように豊食の時代ではなかったため、市井の人々は少ない量でも十分な効果が得られるよう、食事や養生といったものに「品質」を求めたのです。
そしてそれぞれの時期、季節に特徴や性質があるように、その下で暮らす私たちも同じく、特徴や性質を養っていく必要があります。暑い時期には熱が発散しやすいカラダを養い、寒い時期には芯部が冷えないように、熱を内に込めやすいカラダを養います。体質というほど大げさなものではありませんが、会えて質という言葉を用いるならば、私たちがおのおのの時期、季節にあったカラダの「性質」を獲得していく上で、食生活や生活習慣の「量」にその答えを求めてはいけません。むしろ先ほど述べたような「質」にこそ求めるべきでしょう。
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更新日: 2014/06/17 |