秋口は、咳で悩まれる方が少なくありません。
その多くが、かぜ由来の咳というのも一つの特徴です。
私は、咳症状についてお話しするとき、
咳は鍋の吹きこぼれの様なものとしばしば例えます。
「鍋が気管(漢方では肺に属する部分)で、
咳が起こるときは、この鍋が沸騰して、そこから吹きこぼれが起きています。」
一般的な咳止め薬の働きは、
この鍋に落とし蓋をして、この吹きこぼれを抑えることに似ています。」
西洋の咳止め薬で咳が止まる方がいる一方で、
なかなか止まらない方もいます。
そのような方はいわば、落し蓋をしても、
鍋の吹きこぼれが止められない状態に陥っているわけです。
ちなみに、喉の手前というか、上気道で咳をしている人は、
西洋の咳止めで止まりやすいですが、
気道の奥で咳をしている人ほど、
こみ上げる発作的な咳がなかなか止められないように見受けられます。
そういうときは、下火にしてあげるのが良いでしょう。
上から吹きこぼれを抑えこむのが難しければ、
下からその原因を絶てば良いという考え方です。
ちなみにこの原因というのが、かぜ由来の咳では、
実はかぜによってもたらされるものだったりします。
だからこそ漢方では、かぜ薬とせき薬に明確な線引きが存在しないわけです。
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更新日: 2015/10/02 |