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寝つきが悪い。夜遅くまで眠くならない。目が冴えて眠れない。

自然な睡眠は、日中(起きている時間)に働く理性が弱まり、それと交替で
「眠りたい」という本能が促されることで満たされます。
睡眠障害の中でも、入眠時に不調が現れる場合には
①「起きていよう」とする理性が強い②「眠りたい」という本能が弱い
という、2つの要素が関係しています。

良く耳にする、睡眠前に守ること、睡眠前に注意したいこと。
その多くには、「起きていたい」という本能をコントロールする作用があります。
例えば、寝る前にテレビ・スマホを介して刺激を与えすぎると
その刺激は本能に伝わり、「眠りたい」という本能を弱めてしまいます。
また、布団に入ってあれこれ思案することも、理性を刺激して
これまた「眠りたい」という本能を弱めてしまう訳です。

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①「起きていよう」とする理性が強い
漢方では、理性は肝が発揮する存在と考えます。
簡単に言うと、理性が働く=肝の気を盛んにするという関係です。
起きている間は、何らかの形で理性が働き、それに肝の気も追随します。
入眠時に不調が現れる場合には、肝の気を穏やかにする(余分な力を抜く)ことが有効です。

②「眠りたい」という本能が弱い
漢方では、本能は心が発揮する存在と考えます。
簡単に言うと、本能が働く=心の気を盛んにするという関係です。
ただし、一口に本能と言っても、人の体にはさまざまなもの
(代表的なものとして食欲とか性欲、睡眠欲)が存在しており
それら本能の「強さ」に通じるのが「心」です。
わかりやすく言うと、本能が強いか・弱いかは心の働きが関係するけれど
その本能がタイミング良く発揮されるかどうか、
就寝前に「眠りたい」という本能が沸くかは、別の部分(肝や脾)に依存する訳です。

睡眠障害:入眠障害タイプに服んでおきたい漢方薬とは即ち、
①肝の気を穏やかにする漢方薬 ②心の気の健全な立ち上がりを促す漢方薬を意味します。
①には例えば、肝の緊張・昂ぶりを鎮める抑肝散や柴胡疎肝湯、
違和感をもたらす肝の不穏を整える半夏厚朴湯や温胆湯、に一服の価値があります。
②には例えば、肝の働きを整えて自然な眠気を誘う当帰養血精や当帰建中湯、
脾の働きを整えて心の働きを高めていく帰脾湯や天王補心丸に、一服の価値があります。

寝つきが悪い。眠りが浅い。早朝に目が醒める。

睡眠を整えるには、いろいろな要素・条件が関わってきます。
日中の生活スタイルとかストレスとか、入眠する時間とか
リラックス法とか、寝室の環境・雰囲気とか寝具とか。
それらの関わりは複雑で、何から手をつければ良いのか?どれが一番効果的なのか?
いろいろ試しても駄目な場合の解決法は?と、迷う部分も少なくありません。

漢方では睡眠トラブルは、「肝」と「心」の失調と考えます。
簡単に言うと肝は頭(頭脳)の理性を、心は頭の本能に相当する部分です。
例えば、思い悩む。不意に目覚める。頭が冴えない。
そういったことには、頭脳の理性的な面が関わります。
一方で、興奮が抑えられない。焦りや不安を感じる。くよくよする。
そういったことには、頭脳の本能的(感情的)な面が関わります。

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大人の頭脳では、理性と本能がいつも連携していますが、自然な睡眠は、
睡眠を欲する本能の強さ②覚醒を促す理性の脱力(弱さ)を通じて満たされます。
逆に言えば①睡眠を欲する本能の弱さ(覚醒を欲する本能の強さ)
②覚醒を促す理性の緊張(強さ)。この2つが、自然な睡眠を妨げる要素となる訳です。

なお、東洋医学では理性と本能の関わりを「木」と「火」に例えます。
木(理性)は、火(本能)を助長する存在になる。
けれど、高まりすぎた火は、木を根絶やしにする存在にもなる。
そうして木が根絶やしになると、火もやがて消えて共倒れになる。

睡眠障害に服んでおきたい漢方薬とは即ち、
①心を整えて、睡眠に対する本能を回復する漢方薬
②肝を整えて、妨げとなる理性を抑える漢方薬を意味します。

①には例えば、昂ぶりをなだめる酸棗仁湯や桂枝加竜骨牡蛎湯、
慢性的な心労を回復する帰脾湯や牛黄清心丸に、一服の価値があります。
②には例えば、精神的な緊張による昂ぶりを鎮める黄連解毒湯
理性(自律神経系)の強張りを解す柴胡疎肝湯や抑肝散に、一服の価値があります。

一人でゲームばかりしている。部屋にこもりきって外出しない。注意されるとすぐに怒る。

ネット依存症やゲーム障害は、現代特有の病状と言えますが、
それらを通じて恐怖を感じるのは、現代型の生活による脳への負担です。

昔と今で決定的に違うのは、脳への負担が多くなった点。
情報化社会。IT社会。パソコン、テレビ、スマホ。
そうしたものは現代の快適な生活に欠かせませんが、
同時にそうした存在(そうした存在が溢れた生活)が脳への負担に拍車をかけると思います。

昔に比べて、今の生活は脳への負担・刺激が強くなった。
では、今の生活習慣や食生活がそれに対応したものになっているかと言えば・・・、
目に対する対策は充実してきましたが、脳への備えは不十分に思います。

ゲームをプレイすること自体は、悪行ではありません。
特に今は、ゲームプレイングや実況プレイが、仕事・産業として成立する時代ですから。
そういった人たちが全て、ゲーム障害予備軍かと言えば、その通りではないと思います。

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大切なのは、ゲームにのめり込み過ぎていないか。
楽しめるだけの心の余裕、器量があるかどうか。
(それを感じるだけの「元気」が、脳にあるかどうか)

ゲームに限らず、何かにのめり込み過ぎたり、そういう状態が長く続くと
「本能」や「感情」を司る部分(大脳辺縁系)が盛んになり、
頭脳の「理性」を司る部分(前頭前野)が鈍くなります。
この傾向は、脳に与える刺激が強いほど顕著になります。
小さな子供は前頭前野が未発達の為、その行動は「理性」よりも「感情」が優先されます。
この期間にゲームし過ぎて脳の発達を妨げると、
大人になっても子供のような思考(頭脳)のままになります。

東洋医学では「理性」は、「本能」はが司ると考えます。ゲーム障害に置き換えると、
感情のコントロールが下手になり、周りから注意されるとキレることは肝の失調に、
強い欲求が抑えられず、正常な思考力が低下することは心に通じます。
ちなみに、心は「喜」と深い関わりがある臓器ですが、
ゲーム障害のような性質の悪い「快楽」が、まさしく心の失調を招く訳です。

ゲーム障害対策:楽しんでゲームを遊ぶ為に服んでおきたい漢方薬とは即ち、
①「本能」を制御する心を養う漢方薬、②「理性」を支える肝を整える漢方薬を意味します。
①には例えば、脳のリフレッシュを促す黄連解毒湯や甘麦大棗湯
脳疲労(心労)の回復を促す酸棗仁湯や帰脾湯に、一服の価値があります。
②に例えば、緊張した子供にリラックスを促す小建中湯や黄耆建中湯
理性の異常な興奮を鎮める抑肝散加芍薬黄連や牛黄清心丸に一服の価値があります。

思考がネガティブになる時、体の内面や気力は淀んでいます。
淀んだ状態で気を晴らそうと行動しても、それが成功しにくいのが淀み。
淀みから生まれるのは、どこまで行っても淀みな訳で…。
(淀んだ気を駆使しても、そこからは淀んだ気しか生まない訳で・・・)
そういうときは特別な行為とは別に、基本に立ち戻った生活を過ごす事が大切です。
漢方では、人の基本的な営み(本来あるべき生活習慣)が心身を清めると考えます。

自力ではなかなかネガティブ思考が抜け出せない。
そうした強い(病的な)ネガティブ思考の背景にあるのは、痰濁の存在です。
痰濁とは簡単に言えば、体の内面・気力の淀みが極まって発生するしこりのようなもので、
負の引力が強く、気力を塞いで、沈みこませます。

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痰濁は一時の気の迷いに乗じて、とても浅い部分に発生するケースも存在しますが、
多くの場合は、湖の淀みのように深い部分で発生します。
逆に、深い部分に痰濁を発生するほどに淀み切った内面や気力では、
表層の淀みを解消する回復は可能でも、深い底に生じた痰濁を完全に失くすまでに至りません。
(深層の淀みはたびたび表層を濁らせるので、根本的な解決には至らない訳です)

ネガティブ思考に染まる時に服んでおきたい漢方薬とは即ち、
痰濁を解消して濁った気を澄ませる漢方薬を意味します。
それには例えば、気の攪拌を促して痰濁を解消する温胆湯、半夏厚朴湯
痰濁で塞がった気を回復する桂枝加竜骨牡蛎湯、香砂六君子湯などに一服の価値があります。

朝はコーヒーが欠かせない。エナジードリンクを飲んで頑張る。
ここぞという時はカフェイン頼み。

カフェインを摂取してしばらくの間は、興奮や刺激で集中力が高まります。
けれどその後のどこかで、それとは正反対の気だるさや倦怠感が必ず襲います。
しばしばその感覚を「カフェインが抜けた」と感じますが、実際は、
カフェインで昂ぶらせた後のツケのようなものですから、副作用(?)の一つとも言えます。
その時点で再びカフェインを摂ると、後回しになったツケはさらに大きな波になって戻ります。
それを避ける為に、さらにたくさんカフェインを摂る…、
というのは単なる悪循環にしかなりません。

カフェインで与える刺激は大きくなるほどに、
その後の落差(気だるさ)もまた大きくなります。
それを避けるには、①最小限のカフェインで気力を高めつつ、
②その状態をほどほどに保つ(急落するのを避ける)というサイクルが必要です。

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コーヒー・エナジードリンク愛好家が服んでおきたい漢方薬とは即ち、
①気力を高まりやすくする漢方薬、②気力が急落するのを避ける漢方薬を意味します。
①には例えば、体を温めて血流を促す桂枝湯や真武湯
血圧を高め、心身の立ち上がりを促す苓桂朮甘湯に、一服の価値があります。
②には例えば、低迷した気を回復する補中益気湯、
体内の熱を逃がして、眠気の発生を避ける逍遥散や参蘇飲に一服の価値があります。

なお、①、②の漢方薬は、アプローチは異なりますが、いずれも
カフェインを効果的に働かせる(≒過剰摂取を避ける)働きが期待できます。
西洋薬の効きを良くする(≒実際は人の感受性を整える)働きも
期待される漢方薬からすれば、納得の話です。



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