漢方相談Q&A

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漢方 よくある質問(Q&A)

ご質問に対するご回答

肩・腕の痛み(四十肩・五十肩)に漢方は効きますか?

肩が挙がらない、疼く、痛い、だる重い、運動が制限される、 といった症状があると 一般的には 五十肩と一言でまとめられる場合が多いのですが実は原因はいろいろあります。
本当のところはよくわからない事も多いものです。

MRIやレントゲンで検査した結果、石灰沈着して炎症がきつく起こり肩関節に水がたまるケースでは痛みも強く残念ながら長引きます。
現代医学的には、整形で水を抜いてもらったり注射をしたり炎症を鎮めるお薬をもらったりになりますが長引きます。

筋肉や腱の微細な断裂や筋肉の拘縮したケースも多く見かけます。
これは、 年齢とともに筋繊維も老化していつのまにか微細断裂を起こすケースや、 こけてから 微細断裂があると思われ痛くて腕が挙がらないケース、使いすぎて筋肉が硬くなってコリのきついような状態になって痛みはするけれども腕は挙がるケースなどもあります。

いずれのケースも意外と現代医学は不得手なように日頃感じています。

では、東洋医学ではこれらの状態にどうアプローチしていくかという事ですが、基本的には鍼灸治療、漢方薬のいずれか単独または併用療法になります。

経験に基づく予後を先に申し上げますと、筋肉の短縮によるものだけなら短期に解決できます。
微細断裂が疑わしいケースでは少なくとも半年以上、多くのケースで一年はかかりますが ほとんどの方が治ります。
ただ、放置すると筋肉は萎縮しますので、関節が固まり動きに制限ができてしまいますし、痛みが長引く事もあります。 「そのうち治るだろう」はだめです。
簡単に治癒に導けるものもあれば治療に抵抗して、いろいろ試さないといけないタイプもあるということです。

以下に症例を一例挙げさせて頂きます。

あるご婦人、病院で注射もしたけど全く効かないという五十肩とのことで来院。
見ると、関節の腫れもさほどなく強烈な運動制限や夜間痛はないもののエプロンを結ぶ動作ができないなど典型的な五十肩の様子。
「この状態では、針治療が早いと思います」とお勧めして、針治療を開始したところ、
「針治療した後、良いように思ったのですが、体がしんどくて・・・」という訴えのため針治療中止。
極度にアルコールに弱い人がいるように、たまに、こういう方がいます。
困ったその方、「針治療でなく漢方薬で治したいのですが」というリクエストをされた。
注射も効果なし針治療もダメとなればなんとか漢方薬でとなったようで、期待に応えるべく、
「では、もう一度、漢方的な診察をします」と、五十肩だけど、脈診、腹診もして処方をさせていただいたところ、半月後、「エプロン結ぶのが楽になってきました。」とのことで、しばらく同じ処方で継続する事となり、2カ月で廃薬になった。

漢方薬が劇的に効いた一症例です。

東洋医学で五十肩に取り組むことは、有効な手段だと感じています。
もしお困りの方がおられましたら、信頼のできる漢方の先生に相談して見られたら如何かと思います。

福田漢方すこやか相談所 薬局・鍼灸治療院(奈良県吉野郡) 
福田 佳司先生

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