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			御影雅幸先生の漢方あれこれ
			
			
 
  
   
    
    
     
     
     
     
      
        糖尿病は血糖値の異状や尿に糖が混じることで発見されますが,高血糖そのものよりも網膜症や腎障害などの合併症が恐ろしい病気です。   中国医学では糖尿病を大きく3種に分けて対処します。すなわち,原因となっている臓腑の位置によって,上消証,中消証,下消証に分け,治療にはそれぞれの臓腑の機能改善薬を処方します。3証の特徴は以下のようです。  
        上消証(じょうしょうしょう)は肺の機能不全に基因します。 肺は上焦に位置し,水分の通導を整え,食餌の効能を発揮させます。肺が熱によって傷つけられておこるのが上消証の糖尿病です。 
        口中や舌が乾き,煩渇して水を多く飲み,頻尿で量が多く,遺尿が認められることもあり,また舌の先や周辺部に赤みがあって上には薄黄色の苔があるなどの特徴があります。 
       
         
        中消証は脾胃の不調に基因します。脾と胃はともに中焦に位置し,食餌を収め,消化吸収した気を全身に送ります。  中消証の特徴は常に飢餓感があり多食することで,大便は秘結し,多尿頻尿があります。長引くと気の全身への輸送が滞って食餌で摂取した必要な部分も不必要な部分もすべて漏れ出るようになり,尿は甘く浮遊物が混じります。  舌は赤みがあり黄色い苔がつき,乾燥気味です。さらに重症になると倦怠感が強くなりやせ衰えます。 
       
          下消証は腎の不調に基因します。腎は下焦に位置し,精を貯蔵し水分代謝を担います。腎に基因する下消証の特徴は,飲んだ分だけ小便に出ると言われるほどの頻尿多尿で,進行すると尿は混濁し,身体は痩せ,顔色は黒くくすみ,舌は赤くて乾燥気味で苔はないか白くて滑らかなものがつきます。 
        糖尿病専用の漢方薬というのはありません。漢方専門の医師や薬剤師に相談し,基因する臓腑を正しく突き止めて治療薬を選択する必要があります。 
       
      
      
     
     
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