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			御影雅幸先生の漢方あれこれ
			
			
 
  
   
    
    
     
     
     
     
      
       市医  中国の明代,蘄州(きしゅう)(今の湖北省蘄春県蘄州鎮)に李時珍という名医がいました。祖父の代からの医者の家系で,生来身体が弱かった時珍は少年期に自身の大病が父の治療で改善したことを契機に,自分もまた医者になる決意をしました。 
       
          ところで,当時は市医という職業があり,李時珍も父に倣って市医になりました。  市医というのは治療を請う患者を求めて町中を歩き回わる商売です。金魚売りや豆腐売りの行商と同じです。家中に居る病人にそれと解るように亜鈴を鳴らしながら歩きました。   そういえば一昔前は,金魚屋さんは独特のかけ声で,また豆腐売りは鐘を鳴らして行商していたのを思い出します。安静にすべき患者が家に寝ていて,医者がそこを訪ねて回るというのは医療の本質のように思われますが,現在はそれが逆になっていて,しかもそれが当たり前のようになっています。大きな病院では,以前は,時には3時間待って3分間の診療時間といわれるほど,患者にとって苦痛を強いられることもありました。李時珍が今の世に生きていればどのように思うのでしょうか。 
        近所に良いかかりつけの医師を見つけ,また薬局を上手に利用することも大切です。また,いざというときには漢方薬もけっこう役に立ちます。近くに漢方専門医院や漢方薬局があればちょっとしたときに立ち寄って相談するなど,なじみになっておくとよいでしょう。 
        最近では手間がかかる煎じ薬だけではなく,持ち運びにも便利なエキス剤の種類も充実し,漢方薬もより利用しやすくなっています。 
       
      
      
     
     
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