健康トピックス 「うつ」

毎日新聞朝刊(H22・10・22)で興味深い記事を見つけた。
うつに運動療法で取り組もうというもの。
新聞によると
運動療法は薬の効きにくい人が改善することがあるほか
再発率が低いとの研究成果も出ている。
・・・・中略・・・・・
(実践している)医師は「運動すると気分がすっきりして前向きになれる」と話す。
大事なのは、一人一人に適した強度と頻度の運動を一定期間続けることだ。
クリニックは患者の脈拍や最大酸素摂取量を測り、
速度や運動量を指示。
患者は週3~4回、計1時間程度の速歩きをする。
・・・・・中略・・・・・
運動療法は重いうつ病には勧められないが、
軽症から中等症のうつや、新型うつにも効果がみられる。
・・・・中略・・・・
なぜ、運動をすると気分が安定するのか。
生物学的には、脳血流や脳内の神経伝達物質が増え
ストレスホルモンが安定するとされている。

共同研究した慶大医学部の渡辺衡一専任講師は
ひきこもりがちの患者さんに日課ができることは大きい。
定期的な体力測定で体力増強がわかり、励みになって意欲が増し、
うつ症状の改善につながった可能性がある」と話す。
と紹介している。

運動療法・・・・大賛成です。
専門家の指導のもと運動をおこなうのが理想で、
自己判断でやると、
却って疲労が積み重なってしまう事になりかねないのが怖い。
しかし、
運動した後、体は疲れたし筋肉痛も残っているけど
「気持ちいい」って感じた経験はおそらく誰もがあるはず。
後に引かない心地よさの丁度いいレベルで、
何だかスッキリした!っていう程度を継続することで
こころも体も、ゆっくりではあるけれど
確実に鍛えられていく。

周りに専門家がいなくとも、
「やる気」があって継続可能ならば、
無理はせず、やや激しくも控えめな運動量からスタートしてみると
日常生活に取り入れた有酸素運動が、
自分でも驚くような効果をあげるかもしれない。
「その気」のある人はいかがでしょう。
社会復帰を視野に考えている人や
ストレスで「うつ」っぽいなって思っている人など。
そろりそろりと始めて
徐々に強度を増していけばどうだろう。
また、いっしょに運動してくれる人がいると「いける」のではないだろうか。
そんな風に思います。

 

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何だか変、うつかな?と思って病院にいって
不安を抱えながら医師と対面する。
担当医はゆっくり話を聞いてくれて薬を処方してくれる。
ちょっと安心して帰宅して薬のなくなるころに再受診。
すると、前回とは打って変わって短い医師の診察時間。
「初めはよく話を聞いてくれたのに・・・・・」って少し不満が出てくる。
何回か通院しているうちに、同じような対応が続くと
なんだか相手にされていないように思えてきて、
違う病院に移る。いわゆる、ドクターショッピングの始まりだ。
ここでもまた初診は丁寧だったけど・・・・・。

こんなケースはざらにあります。
というのも、精神科などでは初診は当然、情報収集のためにも
診療報酬算定要件クリアのためにも一定の時間をかけて診てくれます。
しかし、なんといっても医師は忙しい。
一人の患者さんに多くの時間を費やしていたら全員さばけない。
医師は医師で時間との戦いに終始する。

そもそも医師に対して、カウンセリングのように
長時間の診療時間を求めるのは困難なのです。


では、医師とどう付き合うか。
医師に求めるのは、
薬を服用しての体調変化を伝えること。
そして、その情報を元によりよいと判断される薬を投薬してもらう事。

これに尽きる。
結果、体調が良くなっていると判断されて、
薬を減らすことに成功すれば喜ばしい。

中には、自分の体調変化をうまく伝えられない人や、
医師に気を使って「うその証言」をする人もいる。
副作用が気になってきちんと服用しない人や、
逆に、薬が害になっていると考えられる人も。

だから、私は、もらってきた薬を見せていただき、
病院での服薬指導を確認し服用後の体調変化を聞き出して
次回、病院に行ったときに医師に伝えるべき事の
予行演習を患者さんとすることが多い。

さらに、病院の薬だけではなかなかうまくいかない事も多い。
それはこころのケアや環境整備ができてないとだめなのに
それがうまくいいっていないケースが多い。

そのうえで、併用してよい漢方薬や鍼灸治療を模索して
なんとか患者さんのサポートをさせていただくようにしている。

医師・薬剤師・カウンセラー・家族・友人・同僚・・・・・・・・
それぞれのポジションであなたを支えます。
残念ながら、即効性のウルトラCはありません。
しかし、必ず治ります
ゆっくりでも少しづつ地道に復活の道を歩みましょう。

   

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物事をなんでも良いように解釈するというポジティブシンキング
ポケットに100円あるとする。100円も!と考えるか100円しか!と
考えるか。前者がそう・・・ポジティブシンキング。
心が元気な時はそれで進めばいいのだが、
心が弱ってくるとそうもいかない。
ポジティブに考えようとすればするほど苦しくなる。
そう、うつ状態の始まりだ。
自分も周囲も気がつかないまま、「頑張らなきゃ!」
「平気平気!いけるいける!」
なんて思っているうちに事態は深刻化する。
そんな人が増えています。
ポジティブシンキングもいいけど、
チョッと自分中心に地球まわして、弱音を吐いてもいいんじゃな
いかな。しっかり休んで、また始めましょう。
そんな心の疲れにお付き合い。
最近、こんな田舎でも重要性を痛感しています。

 

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うつ病の人のご家族や周囲の人にお願いです。
うつ病ってわかると、多くの家族や周囲の人は
患者さんに気を使って、「励ましたらいけない」だとか、
「温かく見守らなければ」って思ってくれるのですが、
時間と共に長引いてくると、
アドバイスしたりしても本人は言うことを聞かず
怠けているように思えてきて、
そのうち、病気というより性格の問題じゃないのかと思えてきて、
だんだん愛想が尽きてきて。。。。っていう
パターンが多くなり、やがて患者さんは孤独感を強めていく。
そんなことが多いように思います。

精神疲労は長期戦になることが多いものです。
そこのところ、もう少し理解してやってもらえたら・・・って思います。
うつによっては、時に励ます、あるいは叱咤する必要のあるものもあります。
が、これは微妙で難しいので、
基本的には、そっと寄り添い気持を楽にさせてあげてください。
必ず、治ります。
時間のかかる場合もありますが。。。
エネルギーがたまってくると、自然と自ら行動できるようになるものです。
自分のペースで時間を過ごしてエネルギーを蓄える。
そして少しづつ、好不調の波はありながらも行動できるようになる。
そんなものです。
いきなり、全力疾走なんて無理ですし、全力疾走しても
その人の限界が他の人と比べたら物足りないかもしれない。
でも、その人のペースがそれなら、それでOKです。
人と比べる必要などないのです。

 

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かなり状態が良くなってきている うつの方
「病院で、もう治ったんでしょうか?って尋ねたら、
 こんなん一生病院と付きあわなあかんって言われたんですけど、
 治らないものなんですか?」

「いえいえ、病院の先生はそういう意味で言ったのではないと思いますよ。
 うつは治る病気です。ですが、心のリハビリの時期はすごく調子のいいときと
 調子の良くないときと波があるんですよ。
 で、今調子がいいからと言って薬を中止したりすると、せっかくいい感じに
 なってきたのにまた、逆戻りしてしまうといけませんし、その波が来たときに
 うまく乗り切らないといけませんので、自分では完全によくなったと思っても
 通院して定期点検するのが賢明だということです。
 また、病院のお薬を卒業できても定期点検したほうがいいよってことです。
 車の車検みたいな感覚ですね。
 点検して何も無ければ良し、万が一の早期発見 早期修理ですね
 だから、治らないのか とか、一生病院と縁が切れないのかとか
 思う必要は全くありません。ご安心を!」

 

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