子宮や卵巣などの生殖器官の働きを本来の調子に戻します。
不妊症は、男性が原因の場合と女性が原因の場合、両方が関係している場合など、原因はさまざまです。
漢方では女性の不妊症は、下腹部のお血と冷えが原因と考えます。お血と冷えが卵巣や子宮などの機能障害をおこし、排卵障害や受精卵の成熟を妨げたり、受精卵着床障害を招き、妊娠しにくい状態にしているのです。
下腹部のお血の有無は、左右斜め下を指で押さえてみるとわかります。おへそから2cmほど下のところを、親指で強く押してみます。お血がないときは、痛みませんが、お血があるととても痛みます。
体質的にお血になりやすい人もいますが、便秘が原因でこともあります。便秘の状態では、いつも留まっている便が腸に影響を与え、その部分に、血の流れの滞りが起こっています。
また人口妊娠中絶の手術を受けたことが原因で、不妊になることがあります。それは手術を受けたことのより、その部分にお血が生じているのです。手術後に子宮が炎症を起こし、その周囲にお血が生じ血の流れの停滞が起こっていることがあります。
このようにお血が原因で不妊症になっている場合、「駆お血剤」と呼ばれる漢方薬が治療に用いられます。
また、下腹部の冷えやすい人は、生理不順や不妊になることがあります。また妊娠しても流産しやすい傾向になります。
冷えがあると、水の流れが悪くなり「水毒」の状態になっているとことがあります。やせていて、胃下垂気味のタイプの女性は、冷えによって不妊症になりやすい傾向があります。
このよう場合、冷えをとりのぞき体を温める漢方薬を用います。
このように、漢方薬はその人の体全体のバランスを整えて、妊娠しやすい状態にしていきます。また、人工授精や体外受精をする場合でも、前もって漢方薬を飲んで、精子や卵子、子宮などの状態を整えておくと成功率が高くなります。
病院での検査でとくに異常がないのに、なかなか妊娠しない方は、一度、漢方薬を試してください。何人もの「妊娠できました」とうれしいお便りをいただいております。
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