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以前の今日の一言(1月22日)/花粉症の実態リンク の中で
述べたように、花粉症の強さは
アレルギー反応の強さと、
それを症状に転化するからだの状態と、
この2つの掛け算で、実際の症状が決まります。

アレルギー反応の強さについては、
からだの防衛役を担うリンパ球の活動(抗体反応)が肝になる訳で…。

幸か不幸か、春を迎え気温が上がると
リンパ球の活動は盛んになり、アレルギー反応をエキサイトさせていく。
ただ、皆さんがいうところの「免疫力」も、リンパ球頼みなので
その活動が活発になること自体は、からだにとって悪い反応ではありません。

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ただ一方で、リンパ球の活動はストレスに影響される訳で…。
過剰にストレスがかかり続けるほどに
リンパ球の活動が低下、そして免疫も低下。
その果てにはがんのリスクが…。
逆に言うと、ストレスフリーな状態はリンパ球の活動を
良くいえば、盛んにして「免疫力」を発揮する。
悪くいえば、過剰化・過敏化を招いていく。

ストレスフリーな状態。のんびり、ゆったり、穏やか。
悪く言えば、だらしない状態…。例えば、
体格は肥満やぽっちゃり傾向、からだを動かすこともよりも、
飲み食いの方が好き。生活習慣でも運動不足気味。
そうするとからだの中では血流もゆったりとしてくる。
その血流の運動不足ともいうべき状態は、しばしばうっ血を招く訳で…。

リンパ球過剰&うっ血(≒血流の運動不足)。
それが春には花粉に沼り、鼻炎として花開く。


前回の今日の一言(2月4日)/花粉症にエキサイト!?リンク に引き続き。

風邪&寒邪(寒冷ストレス)が招く水毒は
ふやけ(潤け)と共に、浸潤を生じさせます。
粘膜が白くふやけた状態をイメージすると良いかと。

対して、風邪&熱邪(温熱ストレス)が招く水毒は
花粉症をエキサイトさせ、炎症・充血と共に鼻粘膜に腫れを生じさせます。
粘膜が赤く腫れ上がった状態をイメージすると良いかと。
赤味が強いほど、エキサイト!を暗示します。
涙で目を腫らすとか、鼻のすすり過ぎ・かみ過ぎで鼻を腫らす
などの異常は、まさしくエキサイト!。

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加えて、寒冷ストレスが招く水毒は、薄く拡大していくのに対し
温熱ストレスが招く水毒は、一つの所に厚く積み重なっていく性質があります。
例えば、鼻水とか目の痒みは左右両方に同じように出現しますが
鼻づまりは必ずしもそうではなく、片方ずつに症状が出るという風に。
もっとも、実際は厚く積み重なると共に、からだの内へと攻め込み、
果ては慢性副鼻腔炎や蓄膿症を引き起こしていくのですが・・・。

あと余談ですが、花粉症に伴う痒みに注目すると、
前者は目に痒みにが出るのに対し、
後者は耳にも痒みが出るケースがあります。
耳が鼻と繋がっていることが関係するかは定かでありませんが・・・。

前回の今日の一言(2月3日)/龍と虎リンク の中で紹介した五虎湯。
花粉症やアレルギー性鼻炎に対しては、例えば
鼻水が粘っこいとか、粘膜が腫れ上がるとか、鼻がつまるなど
炎症が際立つ諸症状で出番が回ってくる。

五虎湯のターゲットとなる水毒は特に、鼻水や涙といった姿では体外に出ずに、
その場に留まり、そこを腫らす(炎症を起こす)方に作用する。
いいかえれば、炎症性の病理産物という姿。
その様は、火傷による水泡や関節炎による腫脹にも似ています。

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また一方で、そうした水毒を招く風邪&熱邪。
青龍湯の場合は水毒を招く風邪&寒邪を
寒冷ストレス(に伴う変調)と考えると理解しやすいですが、
同じようにして五虎湯について、風邪&熱邪を
温熱ストレスと考えると・・・、どうも理解しづらい。
夏真っ盛りならまだしも、春に温熱ストレスなんて・・・ねぇ。

先に結論。温熱ストレスは外から及ぼされるものにあらず。
からだの内から出現するもの。
花粉症に伴って発生する炎症もその一つですが、
小児特有の素養(体温が高め、肌や呼吸器がデリケート)とか
果ては夜に鼻が詰まるなんていうのも、
温熱ストレスを被りやすい一面と言えるかと。
つまりは、エキサイトしちゃうってことです。

今日の一言(1月27日)/水が絡む春風邪には青龍 リンク
から紹介を続けてきた青龍湯。龍を冠する漢方薬が存在するということは・・・、
虎を冠する漢方薬も存在するのがこの世界。

虎を冠する漢方薬のひとつ、五虎湯。
実は青龍湯と五虎湯は構成生薬に麻黄を用いるという共通点があります。

青龍の青は、麻黄の色(青緑)をかけているから
五虎湯の虎も、その姿はきっと青い・・・かはさておき、
青龍湯のターゲットは風邪・寒邪が招く水毒なのに対し
五虎湯のターゲットは風邪・熱邪が招く水毒。

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同じく麻黄を用いた漢方薬ですが
一方は寒性に用い、もう一方は熱性に用いる。
四神に名を連ねる龍や虎ですが、麻黄こそ神懸っている。

ちなみに、この薬効の違いは、麻黄と組み合わせる生薬の違いに因ります。
さしずめ、青龍湯では桂皮で寒水を温め、押し出し
五虎湯では石膏で熱水を冷やし、引っ込める、というところ。

花粉症の諸症状に伴う水毒は実のところ、
万時が「青龍湯で押せ・押せ」で対応できる訳ではありません。
現実は、押して駄目なら引いてみな!が必要になることも。
特に、炎症が顕著な症状ほど、五虎湯(麻黄+石膏)の妙技が冴えてきます。

あと、どうでも良い話ですけど。龍にも虎のような肉球があるらしい。
龍の九似。角は鹿、耳は牛、頭部はラクダ、うなじはヘビ、目はウサギ
腹は蛟(みずち)、鱗は鯉、爪は鷹、掌は虎の手のひらなんだとか。

小青龍湯があり、大青龍湯もある。
大は小を兼ねるに倣って、小青龍湯で効果が薄ければ
大青龍湯を用いるのは構いませんか?
先に結論。残念、漢方では大は小を兼ねません。

小青龍湯は風邪や寒邪、水毒がターゲット。
大青龍湯も同じで、風邪と寒邪、水毒がターゲット。
ターゲットは同じだし、やっぱり兼用できるんじゃ?は早とちり。
決定的な違いは、風邪・寒邪の猛攻。それに対して急を要するかどうか。

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例えるなら、花粉との小競り合いに小青龍湯。激戦に大青龍湯。
大青龍湯は特に、最初っからクライマックスの激戦、
発症直後から最高潮を迎える花粉症に有効な漢方薬。

最初っからクライマックスを招くのは、果たして花粉飛散量の増加か?
それとも花粉に対する生体反応(アレルギー反応)か?
いやいや、後者だと思いますよ。

悪寒からの発熱のように、寒邪・風邪を被った体が
からだの内側に熱(熱邪)を発生させる訳で…。
逆にいえば、内熱を生じさせるほどの強い(もしくは質の悪い)
寒邪・風邪が、果たして実際の花粉症に伴うか?といえば
強いんじゃなくて、症状をこじらせた、その結果の化熱、
小競り合いが熱を帯びつつ、泥沼化したという方がしっくりくる。

泥沼化する前に。小競り合いの段階でぜひ仲裁を。



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