腰痛と一言で言っても様々なものがありますが
大きく分けると「特異性腰痛」と「非特異性腰痛」です。
特異性腰痛とは、原因がハッキリしている腰痛
つまり、外傷や腫瘍、内臓疾患などの病気からの反射で起こる腰痛の事を言います。
非特異性腰痛とは、その逆で、原因がハッキリしない腰痛ですね。
腰痛全体の約85%はこの非特異性腰痛と言われています。
特異性であれ、非特異性であれ、その大半は慢性化(3ヶ月以上持続)し
1年後でも6割以上の方が治らないと言われていて
結局有効な手段というのは確立されてないと言えるのかも知れません。
当店の過去10年分のデータによると、整形外科領域の疾患の患者さんは漢方部門・鍼灸部門全体の患者さんのうち約20%。
そのうち、非特異性腰痛に分類されると思われる患者さんは、8割弱ですから
整形外科領域では非常に多いことは、このデータでも分かりますし
相談の多い疾患であることも事実です。
日本整形外科医学会が出した結論的ガイドラインに基づき
朝日新聞等も取り上げていましたが
「マッサージや鍼灸には根拠がない」と言われてしまいました。
しかし、実際には、慢性腰痛に対し
鍼灸やマッサージは効果があったとする論文は結構ありますし
理学療法(病院でのリハビリテーション)よりも
短期的効果は間違いなく有意差があったとする論文も散見されます。
当然その事実を日本整形外科医学会も認知しています。
しかしながら、日本整形外科医学会は
「従来の治療法との有意差が見られない」という理由で「根拠がない」としています。
では「有意差が見られない」とはどういう事なのか?
ここからはあくまでも筆者想像の域の話ですが
従来の治療方法と比較した場合、「有意差が無い」としただけでして
「有意差が無い」ってことは、どっちが良いとも言えないわけです。
逆説的ではありますが、病院での治療と併用すれば
有意義な効果が期待できる可能性は十分あるとも言えるわけです。
整形外科医さんからしてみれば、鍼灸師やマッサージ師は商売敵ですので
余程の有意差が出ない限り、認めるわけにはいかないし
といって、論文は結構あるもんだから
全く効かないと言うわけにもいかないってことで
まさに苦肉の策の「根拠がない」っていう表現は、想像し易いような気もします。
病院だけの治療ではイマイチって方は
漢方や鍼灸マッサージの併用をオススメします♪
(参考文献)2012年度腰痛診療ガイドライン(日本整形外科医学会監修)とガイドライン内各論文
なかなか良くならない慢性腰痛
紀三井寺漢方研究所 紀三井寺薬局(和歌山県和歌山市)
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更新日: 2013/06/14 |