多嚢胞性卵巣症候群は、卵巣で通常より多くの男性ホルモンが分泌されることによって、卵胞の成熟に時間がかかり、多数の未成熟な小さな卵胞が卵巣内側の壁にくっつくことで壁も厚くなって排卵しにくい状態になっています
排卵がうまくいかないために、月経周期が遅れたり、無月経になったり、不妊症になったり、不正出血がみられることもあります
男性ホルモンの分泌が多くなることで、毛深くなったり男性化症状が現れることもあります
漢方では、卵胞が育たないということは、成長発育生殖を主る腎が弱いと考え、腎を補う漢方薬を使ったり、気や血の不足と考え、気や血を補う漢方薬を使ったりして、卵胞を育て、排卵する力をつけてあげます
また痰飲といって余分な老廃物が溜まっているために排卵しにくい場合は、その痰飲を取り除く漢方薬を使います
脂っこいものやアルコール、甘いものの摂りすぎている人は痰飲を生じやすいです
他に血の巡りや気の巡りが悪い場合でもスムーズに排卵しにくくする原因でもあるので、その場合は巡りをよくする漢方薬を使います
ようするに病名で漢方薬を選ぶのではなく、その人の状態を診て漢方薬は選ばないといけないということです
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不正出血というのは、生理以外の時に性器から出血することを言いますが、見た目は生理と区別がつきません
生理以外の時に出血することを不正出血というのだから、日頃から基礎体温をつけるようにして、生理か不正出血か見分けるようにしたほうが良いです 不正出血に対応する漢方薬はもちろんあります ただし、不正出血ならこれ!というのではなく、出血の状態、体全体を診て選ぶことになります 出血だけに着目すると、出血の勢いも強く、量も多い場合、血に熱がこもって血の勢いが強いと考え、血の熱を冷ます漢方薬を使います このタイプは出血量は多くても貧血にはならず、出血することで体がスッキリ傾向にあります 逆にポタポタと少量の出血がダラダラと続く場合、漏れ出るのを防ぐ作用のある気が不足しているために漏れ出ていると考え、気を補う漢方薬を選びます このタイプは出血することで疲労感が増し、脱力感が出てくる傾向にあります 量が多かったり、少なかったり、いつまでも出血したり、出血したかと思ったら止まった、かと思ったらまた出血など、量も出方も決まってない場合、血が滞って流れが悪くなることで行き場を失い溢れ出た結果、出血となって現れていると考え、血の滞りを取り除いてあげる漢方薬を選びます |
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更新日: 2025/01/24 |
子宮内膜症とは、本来子宮の中にある内膜組織が子宮以外の場所にできてしまうことです
それが女性ホルモンに反応して増殖出血起こします 本来子宮内膜は排卵後2週間くらい経っても着床がない場合、子宮内膜は剥がれ落ちて出血とともに体外へ排出されますが、子宮内膜外でできたものは体外へ排出されず、体内に残り、それが周りの組織と癒着引き起こしたり、炎症を引き起こしたりして痛みが発生します 生理時に下腹部の痛みが、それも日常生活に支障を来すほどの強い痛みが現れます 進行していくと、生理時以外でも、腰痛や下腹部痛、さらには性交痛なども現れるようになってきます 原因は未だに分かっていません 漢方では血の滞りである瘀血と考え、瘀血を取り除く駆瘀血剤を使うことになりますが、ただ闇雲に駆瘀血剤を使ったのでは効果はあまり期待できません 子宮内膜症に伴う激しい痛みには駆瘀血剤に+αでちょっとした工夫をしてあげる必要があります |
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更新日: 2025/01/22 |
子宮筋腫は子宮にできる良性の腫瘍ですが、発生する頻度は高く、無症状の人もいれば、症状が現れる人もいます
症状としては、生理の出血量が多かったり、その出血に伴い貧血を起こしたり、非常に重い生理痛が起こったりします 漢方薬で筋腫を消したり、小さくしたりすることは難しいかと思います できたとしても年単位という非常に長期間の服用が予想されます 筋腫を取り除いたり小さくするのなら、手術やホルモン剤を使ったほうが良いかなと思います では漢方で何ができるか? ・子宮筋腫が原因で起こる出血過多や貧血、生理痛などの緩和 ・筋腫がこれ以上大きくならないようにする ・ホルモン剤治療との併用により効果を上げる ・手術して取り除いても再発しては意味がないので再発防止という意味で筋腫ができにくい体質にする 漢方薬も上手に活用していただければと思います |
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更新日: 2025/01/21 |
毎月、生理でつらい思いするくらいなら生理なんて来なければ良いのに・・・
生理来ないから楽だ なんて思っている方もいるかと思います しかし、後々のことを考えたら生理は毎月きちんと来させたほうが良いです 子どもが欲しくなった時、生理が来ない状態でいると、まず生理を来させることから始まりますが、来ない状態が長ければ長いほど、なかなか上手くいきません なので面倒でも生理は毎月来させ、かつ周期も安定させるように持って行ったほうが良いです 生理が来ない原因として、血の不足、血の流れの悪さ、成長発育生殖を主る腎が関係してくると考えます ダイエットによる急激な体重減少 食べ物を食べることで血は作られるというのが漢方の考え方です 食の乱れは血の質と量を低下させますが、そんな状態では生理を起こさせる力すらなくなります またストレスなどによって流れが悪くて詰まってしまうと出血さえ起こさせることができなくなります ホルモン剤を使っても、ホルモンを運ぶのは血液なので、血流が悪ければホルモン剤の効果もあまり期待できません 生理が来ないというところまでくると、かなり重度な血行障害になります だからといって、強引に動かそうとしても上手くいかないことが多いです 病名だったりメジャーなものだったりするものを取っ払って、全体を診て選んでこそ、上手くいくことが多いです ご相談ください |
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更新日: 2025/01/19 |