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              イイ草イグサ河童の寝床、日本人の遺伝子にイグサの触感(食感)、安らぐ心畳の香り 
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                植物名”イ”はイグサ科の植物で、蓆(ムシロ)にするものであるのでイ(居)と名付けられたとも言われている。”イ”(Juncus effusus L. var. decipicns)のラテン名の属名は「しばる、結ぶ」の意味で、この草で物を結んだことに由来するのであろう。 
              イグサは”イ”の改良種コヒゲで、畳表などの原料植物である。主な産地は23年ぐらい前まで岡山県であったが熊本県が取って代わった。しかし、業者が苗を持ちだし中国で栽培を始めたことから生産地の圧迫が始まり今日に至っている。 
             
              ”イ”の地上部または髄は、灯心草の原料となる。また、灯心草は漢方薬に用いられている。漢名の灯心草(トウシンソウ)は、”イ”の髄を灯心に用いたことに由来する。(時代劇でよく見受けられるが、まだ電気が無かった頃、一般の庶民の夜は植物油を皿にいれ、それに灯心をはわせて油を滲み込ませ、その先に火をつけてあかりをとっていた。ちなみにろうそくは高価であったため、一般にはあまり使われていなかった。) 
              生薬の灯心草は、甘淡、寒の性味をもち、心火亢盛を鎮め、利尿をはかり、排尿痛を治す作用が有るとして、加味解毒湯、実脾湯、分消湯に処方されるが、日本での消費はわずかである。 
             
              イグサは単子葉植物であり、葉緑素、繊維含量が高い。また、お茶と違いポリフェノールが少ないため、褐変しにくく、緑色が加熱などによっても抹茶よりも綺麗に残るようである。 
              まず始めに麺に入れて”イグサ素麺”。当初は粉末化の技術もかんばしくなく、旨いのに、ざらついたような舌ざわりの麺でしたが、技術革新(微粉末粉砕機の導入)で、滑らかな緑色の麺に変わり、緑色が茶よりも安定し、特にお子様に人気である。2005年7月から熊本市内の給食にイグサ素麺が出されている。 
             
              
               | 分析試験成績書 | 
               
              
               | 分析試験項目 | 
               結果 (100g当り) | 
               分析方法 | 
               
              
               | 食物繊維(g) | 
               63.0 | 
               食物繊維分析法  および  原子吸光光度法 | 
               
              
               | カリウム(g) | 
               2.37 | 
               
              
               | カルシウム(mg) | 
               157.1 | 
               
              
               | マグネシウム(mg) | 
               107.0 | 
               
              
               | ナトリウム(mg) | 
               33.8 | 
               
              
               | 鉄(mg) | 
               3.3 | 
               
              
               | ベータカロチン(mg) | 
               6.54 | 
               高速液体クロマトグラフ法 | 
               
              
               ビタミンA効力(IU)  (β-カロチンより換算) | 
               3,630.0 | 
               
              
               | 総ビタミンC(mg) | 
               7.0 | 
               
              
               | ビタミンE(mg) | 
               8.2 | 
               
              
              
             
               昨年、厚生労働省はイグサが灯心草の原料であり、食薬区分の1a(専ら医薬品として使用されるもの:食品として使用してはいけないもの)に分類したものだから、大変なことになりました。その理由はよくわからない。 
              生薬として用いられる中には、主に薬として用いるが食品としても用いてよい植物が沢山有る。例えば薬用ニンジン、ショウガ、ナツメ、カンゾウ、クコの実等々である。これらは昔からある時は食品として、またある時は生薬として用いられてきた植物である。 
              イグサは食としての歴史が15年しかないこと、食品としての文献らしいものが見つからなかったこと、イグサは足の下にあり、食べるものではないというイメージが定着し、食品としての厳しい現状を生んだのかもしれないと感じている。 
              あれから約1年、稲田さんの大変な御苦労の末、食品に用いるイグサは、乾燥した地上部を一度10分弱湯通しして用いるので、漢方薬で煎じた滓のようなものであるとのことで、食品として用いても問題はないとのお達しが有った。 
              今後は安全・安心を確認しながら堂々と食品に使えるのではないだろうか。 
              イグサ食品の普及から、八代のイグサ・畳、日本の畳文化、安全安心な畳、イグサの多様化が日本社会の中で再度地位を確立しますように祈っている。 
              
             
              
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                 イグサを使った食品を少し紹介します。 
                
                イグサ焼酎は、焼酎好きの人には好まれません。何故なら焼酎独特の香りが少なく味がまろやかすぎるからです。しかし、女性で焼酎を始めて飲まれるかたには旨い焼酎です。一度、麺ともどの試してみてくんしゃい。  
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              【文】矢原正治 (YAHARA Shoji)  専門:薬用植物学・生薬学・天然物化学・環境安全  熊本大学・大学院・医学薬学研究部・創薬科学講座所属  薬学教育部・附属薬用植物園担当 助教授(園長)  〒862-0973 熊本市大江本町 5-1  TEL/FAX 096-371-4381(直通) FAX 096-371-4639(事務)  
             【資料提供】イナダ有限会社  〒869-4202 熊本県八代市鏡町内田438-2  TEL(0965)52-0656 FAX(0965)52-1965 
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            - 自然の摂理に従い、健康で若々しく生きる為には
 
            
           
              
            - 「眼に良い」と人気のブルーベリーの効能とは?
 
            
           
              
            - 生きものは助け合って生きています。
 
            
           
              
            - イイ草イグサ河童の寝床、日本人の遺伝子にイグサの触感(食感)、安らぐ心畳の香り
 
            
           
              
            - 健康は良い自然環境から
 
            
           
              
            - 漢方薬の大茴香が、鳥インフルエンザの抗ウイルス剤「タミフル」の原料です。
 
            
           
              
            - 花は人を和ませ、虫も癒す。
 
            
           
              
            - 現代人に雑穀は必要か?今こそ食生活を見直す時です。
 
            
           
              
            - 中国製のギョウザで食中毒。生薬は大丈夫!
 
            
           
              
            - 福岡大病院 研究結果発表
 
            
           
              
            - 学術雑誌等に報告された関連文献の要約をご参考までにご紹介いたします。
 
            
           
					
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