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あーだ、こうだの爽快!植物学
梅雨に似合うアジサイ梅雨に似合う花にアジサイが取り上げられる。 ![]() 「綺麗な花ね。アジサイはやっぱり青色で花が大きいのがいいわよね。知ってる?この綺麗な花は本当の花じゃ無いのよ。」 ![]() 「そお、花じゃ無くて何なの?」 なんて会話が聞こえてきた。 アジサイの花びらに見えているものは・・・![]() アジサイは、ガクバナの名もあるように、花びら(花弁)に見えている物は、実は咢(ガク)が変化した物であり装飾花である。 聞いて"ガクッ"とした人もおられるかもしれない。 4,6枚からなる装飾花は青白色から薄紅、濃紫、藍色に変化する事が多く、七変化と言われる。花色は土の酸性、アルカリ性や、肥料、アルミの多さなどに影響されるが、最近の種の色はかなり固定している。 一般的には、中心部の花びららしき物を持たない両性花(ヤマアジサイでは、花弁5、ガク5、雄しべ10と雌しべ3を持つ:真花)と周辺部の装飾花からなる。中央に小さな花が集っている様子からテマリバナと言われる。多くの変異が発見されており、中心部の両性花が全て装飾花に変化したテマリ型や半テマリ型もある。装飾花の一部に雄しべか雌しべを持つ物もある。 アジサイの名前の由来
アジサイの名は、青い花が沢山集って咲く様子の集真藍(あづさあい)に由来する。日本の土壌は酸性なので、青色系が目立ったのであろう。日本のアジサイの仲間は150種あまりで、大きく分けて、アジサイ類、ツルアジサイ類、ノリウツギ類、タマアジサイ類に分けられ、アジサイ類はヤマアジサイやガクアジサイとに分けられる。
1879年イギリスに渡ったガクアジサイがフランスで改良され、現在西洋アジサイとして日本に里帰りをしている。作られた洋種の数は数百種にも及ぶ。最近名を聞く、カシワバアジサイやアナベルは北米産である。 1823年に日本にやってきた医師シーボルトは植物学者でもあり、日本固有の動植物に関心を示し、絵描きに詳細な図を書かせるとともに、標本を作って持ち帰った。雨に濡れるヤマアジサイの清楚な趣が東洋的と映ったのか、6年間愛した彼女への思いをアジサイの花に託して、学名にotakusa(お滝さん)とした。 この話が、加齢とともに「ひたむきな愛」「控えめな愛」「移り気な愛」と移り変わるのは私だけか。ユキノシタ科であっても梅雨に似合う。 |