mi9zoさん
投稿日時: 2022/07/29 11:59
抑肝散陳皮半夏と加味帰脾湯について
どちらも気血両虚で肝熱がある場合に服用する漢方で
似ている気がするのですが、どういった違いがありますか?
よろしくお願いいたします。
mi9zoさん、こんにちは。
ご質問の件ですが、抑肝散陳皮半夏は名前の通り、肝気の乱れに使う漢方薬です。対して加味帰脾湯は心気の不調に使う漢方薬です。
東洋医学の五行では、肝は木気、心は火気、脾気は土気に分類されますが、抑肝散は本人の性格傾向(神経質とか)やストレスで引き起こされる肝気(≒木気)の昂ぶりによる場合が多いです。特に陳皮半夏を加えた場合は、木乗土(※旺盛な木気が土気(の栄養)を痩せさせる状態に向きます。ただ一方で、土気は木気を支える存在でもあるので、土気が痩せていくと、木気もやがては勢いを失っていく。)への考慮がありますね。
対して、帰脾湯は、例えば悩み事(精神的な過労)を繰り返して、精神が衰弱した状態に用います。心は精神の要であり、それを支えるのが心気・心血です。精神的に不安定になることは、さしずめ火気が揺らいでいる状態に相当します。本来の心気(火気)は天道様のように、穏やかものですから。帰脾湯は、この心気(≒火気)と相生の関係にある脾気(≒土気)が衰弱して、心脾が共倒れした状態に向いています。そこからさらに、火気の揺らぎに伴う熱を考慮した場合は加味帰脾湯が適します。
どちらも気血両虚・・・うーん。抑肝散は肝気の鬱滞が、帰脾湯は心気の衰弱・不穏がターゲットです。また血に関しても、抑肝散は血虚というよりも肝陰虚、対して帰脾湯は心血不足(統血不足)なので、やはり対象となるのが肝なのか?心なのか?が、選択の別れ道ですね。
回答日時: 2022/07/30 15:44
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