こあらさん
投稿日時: 2019/09/15 21:16
【思春期の赤ニキビの改善について】
現在14歳の娘、顔に赤ニキビ(時々先端が黄ニキビ)ができています。半年前から「清上防風湯エキス」を服用し、だいぶましになってきました。ちょうど漢方薬がなくなってきたので継続して飲ませようと思っていますが、このまま「清上防風湯エキス」を飲んだほうがいいのか、「桂枝茯苓丸加薏苡仁」「荊芥連翹湯」「黄連解毒湯」などほかの漢方薬に移行したほうがいいのか迷っています。
ご意見を伺えたら幸いです。
下記のページを見ています。
【にきび】
https://www.kigusuri.com/kampo/kampo-care/018-1.html
【清上防風湯】
https://www.kigusuri.com/kampo/kampo-care/019-18.html
こあらさん、こんにちは。
漢方には、①にきびの状態・様相といった「外面」から漢方薬を選ぶ面と、②そのにきびができる皮膚の状態・発症の経緯といった「内面」から漢方薬を選ぶ面が存在します。すでに生じたニキビを治す場合には①が優先され、ニキビの発生が繰り返して、イタチごっこになる場合には②も優先・考慮されるといった流れです。逆に言えば、突発的・単発的に生じたニキビでは①だけが、再発的・体質的に生じるニキビでは①と②の両方が重視されます。
もう少しわかりやすく言うと、清上防風湯に代表される「ニキビの漢方薬」は基本、「どんなニキビか?(≒かくかくしかじかのニキビ)」という点から選択されます。けれどそれは裏を返すと、どういった人(=どういった皮膚の持ち主)かという情報が欠けています。先に述べたように、皮膚の状態はとりあえず横に置いておき、まずは「今ひどくなっているニキビの状態」から漢方薬を選ぶ時点では、それで構いません。けれど、ニキビが終息に向かうほど、そのニキビが良くなるか(きれいに治るか)は、選択した漢方薬の働き以上に、その人の皮膚の状態に強く影響されます。
それこそ、漢方治療の基本は、扶正祛邪(正気を盛り立て、邪気を払う)にありますから、邪(≒病態)の勢いが小さくなるほどに、正気(=肌の健全・壮健性)の果たす役割が大きくなります。少々尖ったことを言えば、美肌を目的として、清上防風湯を服用している女性は皆無ですから。そういう人が実際、積極的に摂るのは、荊芥連翹湯や桂枝茯苓丸に配合された当帰、もしくはそれに類する阿膠などです。
結論としては、清上防風湯を続けつつ、必要に応じて別の漢方治療も加味していくといったことろでしょうか。ちなみに荊芥連翹湯は、[清上防風湯に柴胡四物湯を合方したもの]と見立てる漢方の先生もおられます(福冨稔明著、漢方123処方臨床解説より)。清上防風湯を突然に止めるのでなくて、緩やかに別の処方に推移させていくのも、漢方治療ならではのことだと思います。
以上、雑多な文章ですがご容赦下さい。
回答日時: 2019/09/17 13:59