kutakutaさん
投稿日時: 2019/09/21 07:39
先日、漢方のことをやってらっしゃる方のこのような相談を受けた!と言うWeb記事に…。
・仕事から帰ったら、根が生えたように動けなくなる
・なんとかご飯を食べ、あれもしなきゃ、これもしなきゃと思っているうちにソファーで寝てしまっている
・そんな感じなので疲れがとれない
・血圧も上がってきた
という記事があり、それは寝ているのではなく気絶!
気が絶えているという記事を見て自分と全く同じ症状にびっくりしました。
私はこれに、食欲と言う症状もあり、とにかく食べることで落ち着きを補っている感じで…。
肝臓、コレステロールの数値がよくなく、血圧も上がってきている状態です。
病院の先生から減量を言われていて、自分でも少しの運動とか、ストレッチなどで変わるのはわかっているのですが、動けず、そのイライラでまた食べてしまう…。
この負のスパイラルです。
Web記事を読んだ時に漢方がそのスパイラルから抜けれる手助けをしてくれるのではないかと思い相談しました。
その記事のなかには、補中益気湯、桂枝加竜骨牡蠣湯、十全大補湯が紹介されていたのですが、この3つでもどれがいいのかわからないし、もしかしたらさらに私に合うものがあるのかもと思い相談させてもらいました。
よろしくお願いします。
utakutaさん、こんにちは。
結論から先に言うと、kutakutaさんの状態は「気血の損耗」と推察されます。気血の損耗は、気力・体力の急激な消耗や長期に渡るストレス、過労などによって引き起こされます。ただ厳密に言うと、漢方でいう「損耗」とは気血の物量が少なくなるというだけでなく、本来の正常な働きを発揮できなくなると意味も含んでいます。早い話、量が少なくなるというだけでなく、機能が脆弱になるという意味もある訳です。
漢方では、気と血はお互いの働きを支え合う存在とされ、気が持続するのは、血の恩恵によるという考えがあります。(さながら、「血が元金、気が利潤」というイメージでしょうか・・・)その点では、お読みになった記事中の「気が絶えている」という記述も「血が損耗して、気が尽きやすくなった」と解釈する事ができるでしょう。即ち、単発的・一時的な疲労は気の不調に及びやすく、長期的・累積的な疲労は血の不調に及びやすい一面を持っています。
特にkutakutaさんの場合、血圧や血液検査の数値が良くないという点からは、血の異常(≒老廃物の蓄積)も覗えます。体は食べたものを消化・吸収(そして最終的にはエネルギーに変換)するにも、体内の気血を消費します。その為、気血が損耗した状態で、食欲に任せて食事を行うのは、さながら「体に必要なものを摂っているはずが、それが実は体の負担になり、さらに気血の損耗を招いている」という図式です。
イライラして食欲が増進する。だけど一方で、仕事から帰ると動くのも億劫で、疲れがとれにくい。この状態はちょうど「虚勢を張っている」ような状態に近いです。頑張りたくないのに、無理強いして頑張るものだから、そこには強いフィードバックが生じてしまいます。即ち、虚勢を張る面からは強い食欲に振り回され、フィードバックが生じる面からは強い疲労感に襲われる訳です。
漢方薬としては、補中益気湯や十全大補湯と共に、血圧の上昇や食欲の増進という点から、ストレス肥満に用いる大柴胡湯や、老廃物の蓄積を改善する防風通聖散も候補に挙げられます(補中益気湯や十全大補湯で気力・体力の回復をはかるか、大柴胡湯で自律神経機能の改善をはかるか)。さらに女性の場合は内分泌系の失調から、逍遥散を始めとした血の道症に用いる漢方薬も候補になる場合があります。
漢方薬を選ぶ際は、ご自身に合ったものを選ぶ為にも、ぜひ一度お近くの漢方薬局にて相談されることをお勧めします。以上、雑多な文章ですがご容赦下さい。
回答日時: 2019/09/26 11:38