ご相談内容

Runeさん、こんにちは。

長年、症状を抱えての生活、さぞお辛い事と存じます。文面の長さからも､真剣に悩んでおられる様子が感じられました。

人の神経は「糸状のゴム」のようなもので、心身にストレスを受けると引き伸びされ、細まっていきます。文字通りの「緊張」という訳です。そしてストレスが無くなると、ゴムの「弾力｣でもって､元に戻ります。けれど、強いストレスの場合､この｢糸状のゴム｣を引き伸ばす力が強すぎる為、ストレスが失せても｢元に戻らない｣という現象が起こります。ストレスに始まる神経過敏＝常に緊張を強いられるとは、まさにこの「元に戻らない状態」を現すものです｡この状態では「弾力｣に頼っても、ゴム糸は元には戻りませんから､外から別の力で元の長さ・太さに縮めてやる必要があります。このゴム糸の｢弾力｣が正常に働かない状態が、西洋医学で言う「自律神経の失調｣に相当するのだと思います。

一方で、常に緊張を強いられた状態は、徐々に神経を弱らせます。先のゴム糸の話で言うと､引き伸ばし続けたことによる「弾力の低下｣がこれに相当します。弾力を失ったゴム糸は、もはや「糸｣と同じなので、引き伸ばそうとする力が同じでも、耐えられなくなります。このゴム糸から｢弾力｣を失った状態はさしずめ｢神経衰弱｣に相当するのだと思います。

前置きが長くなりましたが、Runeさんの今の不調は､神経の｢弾力｣を失った状態によるものだと思います。正直、この状態の人に｢神経を休ませ､安静にして下さい｣と言っても､「休んで回復する力｣がない訳ですから、本末転倒です｡また一方、｢弾力｣はなくても（むしろ､ないからこそ）神経は緊張を強いられるので、その状態を解く必要も出てきます｡

西洋薬でも、神経の緊張を緩めることはできますが､それは｢弛緩｣に近い印象があります。また、緊張を緩めても、それが「弾力｣の回復に繋がる訳ではありません（最悪、後には｢弛み切った糸｣が残るだけです）

漢方では、神経や精神を養う存在は｢血｣という考えがあります｡早い話､｢血｣は神経の栄養として働き､これを補うことで神経機能の回復が行えるという訳です｡また一方で､緊張を強いる存在には､｢気｣の滞りが関係しています。こちらに関しては、以前に柴胡剤を服用されたのことですが､今の状態に合ったものを改めて選び直す必要があると思います。

Runeさんのケースでは、｢血｣を補いつつ、｢気｣の巡りを整えていく治療が合うと思います。なお､症状の長期化･慢性化に従い､漢方の病態も複雑になり､それに用いる漢方薬も多様になります。一口に「補う｣とか｢巡りを良くする」と言っても､そこは十人十色の世界なので･･･。ですから、漢方治療をお考えの際は専門の相談薬局で、まずはじっくりと相談されることをお勧めします。個人的には、慢性化した症状ほど「どういう薬が合うのか？」よりも「今がどういう状態で、どう改善していく必要があるのか？」が重要だと思います。

以上、雑多な長文ですがご容赦下さい。お大事になさいませ。

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