タピオカさん
投稿日時: 2020/05/10 17:40
多汗症で悩んでいます。
漢方薬で体質改善は可能でしょうか?
子供の頃から汗かきで両親も汗かきなので、そういう体質なんだと諦めていました。
しかし30歳を過ぎた頃からどんどん酷く感じるようになりました。
特に頭部、顔、首、背中の上半身が酷いです。
夏場、通勤で駅から会社まで歩くと、会社に着く頃には頭からシャワーを浴びたみたいにびしょびしょになり、着替えないといけないほどです。
昨年あまりにも気になるので通院し、プロパンサインという汗を抑える薬を処方されたのですが、確かに服用後数時間は朝は止まったのですが、顔の火照りが酷く、また熱中症になりそうなほど体が熱くなり、危険を感じたので服用をやめました。
また別の病院では精神疾患を疑われた、安定剤を処方されたのですが、私の場合は緊張や精神的な発汗ではなく、暑さや運動による発汗だと思います。
また、こんなに汗をかくのに夏場でも手足の冷えが気になります。
このような体質に合う漢方薬はあるのでしょうか?
できれば無理に汗を止めるのではなく、体質を改善したいと考えています。
よろしくお願いします。
タピオカさん、こんにちは。
症状から察するに、タピオカさんの多汗症は「溢れ出るタイプ」に相当すると思います。漢方では多汗症は「漏れ出るタイプ」と「溢れ出るタイプ」に二分されます。溢れ出るタイプは、汗が止まることなく湧き、体に抱えきれず、外に出て行ってしまう状態です。
漢方では「汗は心の液」と唱えます。心臓が巡らせる「血脈」が姿を変えたものが汗であり、心臓の働き(鼓動・脈拍)が盛んになれば、その分だけ汗が生成されるという流れです。心臓を盛んにするのは、緊張の場合もあれば、暑さの場合もあれば、運動の場合もあります。ただし、それらは原因というよりも「キッカケ」としての側面が強いように感じます。タピオカさんの場合、心臓が盛んになると、それがたちまち汗に及ぶといった状態が災いしているのではないでしょうか?
結論を先に言うと、「溢れ出るタイプ」の多汗症を抱える人は、血流が過剰気味という特徴があります。血管が血液でパンパン、常に充血に近い状態が起きている、そういう意味での「血の気が多い人」です。そういう人はまた、血が鬱積して熱が篭りやすく、のぼせや火照り(≒上昇性の熱)を訴える傾向が強くなります。自然な発汗であれば、過剰になった血流は汗という形で費やされ、解消されていきます。けれど、多汗症の場合は逆に、発汗を繰り返すほどに血流の過剰が助長されていきます。早い話、汗をかくほど、発汗を繰り返すほどに、血液が集まって多汗症が進行していく図式です。漢方では、そういう状態を「血瘀」と呼びます。
汗をかくには、それに見合った「熱」が必要です。それはストレスによる気の昂ぶりの場合もあれば、暑さや運動による陽気の亢進かもしれません。けれど「血瘀」の場合は、その熱が血(≒血液循環系)に充満している為、いつまでも解消されません。逆に、発汗を繰り返して血が集まるほどに、熱も増幅されていきますから。
タピオカさんの今の状態には、「牡丹皮」に代表される清熱涼血・駆瘀血薬を用いた漢方薬が適すると思います。代表的なものと言えば桂枝茯苓丸ですが、冷えのぼせにも応用される点からも一服の価値があるのでは?と感じます。
ただし、桂枝茯苓丸のみで良いのかがは吟味が必要ですから、一度はぜひ専門の相談薬局で相談される事をお勧めします。
以上、雑多な文書ですがご容赦下さい。お大事になさいませ。
回答日時: 2020/05/12 11:54
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