にしこさん
投稿日時: 2020/08/16 16:33
30歳女性です。
2年ほど前から原因不明の吐き気が続いて悩んでいます。
痰が喉の奥にひかかり水が溜まっているような吐き気と喉の詰まり感がひどかった為、半夏厚朴湯を試してみました。
初めは効果があるなと思っていましたが、食後の水が溜まっていて上がってくるような吐き気がひどくなった為、五苓散を試してみました。
数日の間に種類の異なる漢方薬を試すことは大丈夫なのでしょうか。
種類の異なる漢方薬を試すことで胃腸に負担がかかるなどはあるのでしょうか。
吐き気がまた起きるかもと精神的に不安な日々が続いています。
解決策を教えていただけると嬉しいです。
にしこさん、こんにちは。
半夏厚朴湯と五苓散は共に「水はけを正す」漢方薬なので、一緒に服用しても大丈夫です。むしろ実際は、一緒に服用してもらう場合もあります。また性質上、胃腸に対する負担もありません(漢方では、水はけが悪いのは胃の失調によると見立てるので、それを正すことは胃にとってむしろ好適な作用と解釈できます)ので、安心して服用下さい。
原因不明の吐き気というのが、「消化器内科での診察でも異常を認めず」ということなのか?が気になりますが、漢方では胃の気は下向き(喉から下腹部)に通じると考えるので、これが阻まれて逆流すると、吐き気に及びやすくなります。半夏厚朴湯は、気がの閊え(何らかの理由で、食道や消化管が緊張・痙攣した状態)によって鬱滞が生じた状態、だから、吐くとといっても、嘔吐感のみで、実際は嘔吐に至りません。一方の五苓散は、熱中症に伴う嘔吐(水分代謝異常を起こした状態)に代表され、水逆で胃の気が損うという図式で、吐くと胃気が整い、すっきりできる特徴があります。だから、半夏厚朴湯を服用する人で実際に嘔吐する場合は、五苓散を足した方が効果的です。
漢方には「脾は燥を好み、胃は湿を好む」という教えがあり、それが損われた時に嘔気が生じます。よくあるのは、胃虚弱から脾に湿が停滞する場合(脾虚痰湿)や、湿気が溢れ過ぎて胃を損う(湿困脾胃)場合です(実際には、胃が好む湿が足らずにおきる「空えずき」もあります)。にしこさんの場合、症状の兆候・経緯から察するに後者の強い気がします。五苓散で解消できれば良いですし、そこから平胃散につないで胃苓湯というのも適すると思います。
漢方ではお腹(脾胃)を土気に例えますが、その土が他所から流れてくる水浸しの状態なのか?、それとも土そのものがえぐれて水溜まりができているのか?で、対処法は違ってくるというお話です(にしこさんは前者では?と思います)
以上、雑多な文章ですがご容赦下さい。お大事になさいませ。
回答日時: 2020/08/17 14:13