ライレイさん
投稿日時: 2020/08/20 21:07
10年前に突発性難聴を発症しました。当初は健康診断で聴力が下がっていると指摘され、その1週間後に目眩に襲われましたが、耳鼻科に行かず内科に行って目眩ばかりを診てもらったので耳鼻科に行くのが遅くなってしまいました。内科で治らず耳鼻科に行きましたが突発性難聴とわかったのはこの頃のことです。目眩で悩まされて1年後には耳鳴りも出始めました。いろいろな耳鼻科に行きましたが難聴、耳鳴りはなかなか改善されないままです。つい先日悪い方の耳を耳掻きしたところ鼓膜までキズが入ってしまいポリープができてしまいました。ポリープは取れて痛みもなくなった頃、耳鳴りが戻ってきた上に詰まった感じが出始めました。鼓膜のキズは治ったものの、鼓膜が元のように機能してないとのことです。左耳がほとんど聞こえない感じになりました。漢方薬で難聴、耳鳴り、耳塞感が改善できないものかお聞きしたいです。
ライレイさん、こんにちは。
お訴えから察するに、鼓膜の裏側(≒中耳)の機能障害では?と感じます。西洋医学的には、伝音難聴(漢方でいう邪閉・気閉)に類するものではないかと。耳閉塞感は、中耳周辺に発生した水腫(滲出液)が及ぶサインかもしれません。水腫は老廃物(水系の病理産物)の一つと解釈できますが、その発生は血流障害(鬱血とか炎症)に伴います。漢方では、耳は肝・腎と深い関わりがあるとされ、肝は血(血流)を、腎は津液(体液循環)をつかさどります。要するに、耳の「聴覚」という機能障害は、耳に通う血液や体液の「循環」という機能障害と表裏の関係にあり、そうした状態が続くと、肝や腎の失調にも及んでいく(そして、さらに耳を悪くする)・・・、という話です。
ライレイさんの場合、鼓膜の損傷前後で病態が異なる場合も考えられますが、とりあえず「耳の損傷による後遺症」と捉え、機能障害を取り除く所(≒邪閉・気閉の手当て)から始めてみては?と感じます。漢方薬としては、耳鳴り・難聴の特徴や随伴症状にもよりますが、柴苓湯や柴蘇飲、苓桂味甘湯あたりがファーストチョイスになると思います。それでも、耳の機能が回復しない場合、先に述べた肝・腎の失調(≒血分・水分の代謝が悪い)が絡んでくると思います。その場合は、滋腎通耳湯+α(+αの部分は吟味が必要)の漢方薬が有効と思います。耳の長患いは、漢方治療でも根気が求められる分野です。相談の際は、ぜひ信頼のおける専門薬局で見立ててもらいましょう。
以上、雑多な文章ですがご容赦下さい。お大事になさいませ。
回答日時: 2020/08/21 13:32
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