あつこさん
投稿日時: 2020/11/12 22:14
若い頃から月経過多で日常生活にも困る量の出血があるため、妊娠期間を除いてずっとピルを服用して来ました。
45歳頃から止めるように言われましたが止めると月経過多になるため続けていました。
50歳頃にもう一度止めてみると指先から始まり、手首、肘、肩と痛みが広がり、ズキズキとナイフで刺されるような痛みで夜も眠れない程になり、さまざまな更年期用のホルモン剤やパッチを試していただきましたが改善しないため、ヤーズを飲み続けています。
ヤーズを飲むとひと月ほどで痛みはほぼ無くなります。
ただ最近はヤーズを飲んでいても手が強張るようになり、指関節が痛み、太くなって来てしまいました。
ちなみにまだ40代の頃、関節の痛みのために加味逍遙散だったかはっきりしませんが半年ほど服用した時期がありましたが効果はなく、結局ホルモン剤に戻るまで、治りませんでした。
もちろんリウマチや整形外科の検査もしましたが異常なしです。
ユービケアというCMを見て、漢方薬だと分かりましたので試してみようかと思っています。
効果はありそうでしょうか。
ヤーズをやめても大丈夫でしょうか。
あつこさん、こんにちは。
お訴えからっ察するに、更年期に共に出現しやすくなる手指の関節炎では?と推察します。関節の腫れが進み、関節の変形に及ぶのが、ご存じ(?)のヘバーデン結節です。ヘバーデン結節はリウマチとも混同されやすい症状ですが、違うものです。
更年期の訪れと共に、指関節に炎症が発生する理由はよくわかってはいませんが(一説には、ホルモンバランスの変化に伴って体内にむくみや炎症が発生しやすくなるとも言われます)、漢方的な病態としては瘀血(≒血滞)が関わってくると思われます。対してユービケア(桂枝加苓朮附湯)は、冷えや血行不良に伴って蓄積した「水毒(≒水滞」が及ぼす痛みに有効な漢方薬です。漢方薬としては、桂皮や附子と温める生薬が入る事から、病態の本質は「寒証」と見立てられます。寒証は「温めて治す」のが基本です。温めることで血流や新陳代謝を促進して、水毒という老廃物を押し流すというニュアンスです。
対して、あつこさんの今の症状が温めて良いのか?と言えば、微妙なところです。「指関節が痛み、太くなってきて・・・」という訴えが、寒証なのか?それとも熱証なのか?は、漢方の見立てで重要なポイントです。寒証があるということは、一方で熱証も存在する訳で、それに対しては「冷やして治す」のが基本です(※指を冷水に浸せという意味ではありません)。血流に生じた滞り(充血・鬱血)を除き、それによって腫れを鎮めるというニュアンスです。代表的な漢方薬には、桂皮加苓朮湯(※附子が入らない)や薏苡仁湯が挙げられます。
ただし、寒証にしろ熱証にしろ、更年期(やホルモン剤の休薬)を境に出現する背景には、先に述べた瘀血(≒血滞)が存在します。瘀血と痛みの関わりは「不通則痛」とも称され、「血」の性質・作用が損われることで正常だった機能が損われ、障害が起きる(≒正が邪に転じるニュアンス)という話です。更年期を境に、どうして瘀血が生じやすくなるのか?と問われると、行き着く先は日に日に血虚(≒血の正気不足)が進んでいくことによるのだと思います。
そういう場合に用いる漢方薬としては、芎帰調血飲が効果的です。産後や更年期の変化に伴う女性の症状・不調に幅広く応用が利く漢方薬です。これをベースに指の状態・症状から寒熱を見極め、漢方薬を選んでいくと良いでしょう。具体的な漢方薬は専門家に見立ててもらいましょう。
以上、雑多な文章ですがご容赦下さい。お大事になさいませ。
回答日時: 2020/11/13 10:58