hamstarさん
投稿日時: 2020/11/17 15:46
以前から、副鼻腔炎(蓄膿症)だという認識はありましたが、酷くなったため耳鼻科に通い始めました。
鼻茸もあり、匂いもしないことから、早期手術を促されていますが、どうしても自然治癒(免疫力)・自然療法で克服したいと考え、拒否しています。色々調べた結果、手術しても再発の恐れもあることから、好酸球性副鼻腔炎ではないかと考えています。
西洋の薬で「止める」のではなく、東洋の薬で「体の芯から治癒する」ことを目指し、このサイトに辿りつきました。
・葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)
・桂姜棗草黄辛附湯(けいきょうそうそうおうしんぶとう)
・辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)
副鼻腔炎に効果があるものとして、上記3つが挙げられますが、どれが自分の体に合っているのか、わかりません。
どのように調べるのが、宜しいでしょうか?
hamstarさん、こんにちは。
副鼻腔炎は文字通り、副鼻腔に腫れ(炎症)が起きる症状ですが、その腫れの原因や特徴・性質によって漢方薬での対処が変わってきます。例えばご指摘の「好酸球」が関わる場合、そこには免疫による炎症反応が関わり、漢方でいう「解毒証」と呼ばれる病態に相当します。これは簡単に言うと、「容易に炎症を起こす体質」の事です。ご指摘の通り、手術しても再発する一端には、そうった体質的が影響すると思います。ただし一方で、解毒証が即、副鼻腔炎や蓄膿症に繋がるという訳ではありません。
炎症は最初は鬱血・充血に始まり、それが強くなると患部を腫らして肥大、その腫れが元になって膿が生成されていきます。漢方的には、初期の鬱血・充血を伴う炎症は、気の滞り(気が詰まり、血管が腫れる)やそれに伴う血の滞りと見立てます。要するに、気血が滞ることで起きる機能的障害という解釈です。この段階では気血の巡りを整え、生じた滞りを解消してやれば、症状は治っていきます。このタイミングでよく用いるのは葛根湯加川芎辛夷で、温める生薬で気血の巡りを改善します。
ただそういった炎症が長く続けば、鬱血・充血が盛んになり、粘膜の弱体化と共に腫れ(化膿)が生じます。漢方的には粘膜の萎縮は「鬱血に伴い熱が籠もり、ときに出血を引き起こす」と見立てます。この場合は先の温める治療と正反対に、冷やす(≒熱を除く)治療が好まれます。この場合に用いるのが辛夷清肺湯です。
一方で、肥厚した腫れは血液や浸出液が充満・蓄積したものですから、一種の老廃物と見立てられます。漢方的には、血分の老廃物には「瘀血」、水分の老廃物には「痰」がそれぞれ絡むと考えます。この病態になると、葛根湯加川芎辛夷や辛夷清肺湯だけでの改善は難しく、瘀血や痰を排除する漢方薬が別に必要になってきます。その点は、専門家に相談の上、hamstarさんに合った組み合わせを見立ててもらうのが良いでしょう。
桂姜棗草黄辛附湯は麻黄附子細辛湯(麻黄・附子・細辛)が丸々入るので、充血・鬱血を伴う鼻炎というよりも、寒暖差によって生じる血管運動性の鼻炎に合うと思います。その為、慢性的な副鼻腔炎には効果が薄い気がします。
以上、雑多な文章ですがご容赦下さい。お大事になさいませ。
回答日時: 2020/11/18 10:58