笹葉新さん
投稿日時: 2021/01/20 00:23
お世話になります。前回、加味帰脾湯について相談させていただいていました。あの後も一週間ほど飲み続けていたのですが、やはり言葉が出にくい問題が出てきてしまい、止めてしまいました。
ですがまだ漢方でできることはあるのではないか、と思いその後も補中益気湯、苓桂朮甘湯、八味地黄丸も試してみていました。結果は全敗で、それぞれの漢方もドラッグストアで入手したものでしたが、服用量を1/3程度にしても、補中益気湯は耳鳴りが強くなってしまい中断、苓桂朮甘湯は特に副作用はでませんでしたが水分摂取量をかなり減らせていたので中止、八味地黄丸は一日15粒のところを1粒のみにしても幻聴の症状がうっすらとだけ出てきていたので中止していました。ですが、八味地黄丸だけ耳鳴りの症状がかなり落ち着いた手応えがあり、腎虚が原因で耳鳴りが起きていたのではと思い始めています。
なので、「腎虚」のみに奏功する生薬を、つまり地黄だけ生薬販売されているサイトから購入して煎じ薬を作って飲んだらどうかと考えています。漢方薬局で作ってもらうことも考えましたが、一月2万円ぐらい掛かっていた経験がありますので、できれば自分で用法用量を守って作りたいのです。
ネット通販で購入する場合は、地黄は熟地黄が500gで3000円~4000円なので、手が出せない金額ではないです。煎じ用のやかんも以前使っていたのがありますので使いまわしできると思います。相談したいことをまとめると、
・腎虚によい生薬は地黄以外にもあるかどうか
・中国産の生薬でも問題なく使用できるか
・もし地黄を煎じ薬として作る場合は、何グラムを煎じるのが望ましいか
です。できれば漢方薬局にお世話になりたいのですが、費用の面で自分で作りたいです。
よろしくお願いいたします。
笹葉新さん、こんにちは。
お問い合わせの件ですが、腎虚には大きく分けて①腎陽虚と②腎陰虚があります。八味丸のベースになっている六味丸は腎陰虚に向けた漢方薬で、これに桂皮と附子(※からだを温める作用をもつ)に加えることで腎陽虚に対応できる形になっています。この流れからすると、地黄は腎陰虚に向けた六味丸に配合される生薬なので、山薬や山茱萸と合わせるのが効果的です。対して腎陽虚、あるいは腎精不足に向けては、植物生薬の他に、鹿茸や海馬といった動物生薬が用いられるケースも多いです。
生薬の産地に関しては、信頼できる薬局が供するものだと、信用して大丈夫だと思います。また専門薬局によっては品質に強いこだわりをお持ち先生もおられ、韓国産を用いられるケースもあります。なお地黄という生薬は、下処理の違いによって地黄と熟地黄の2種類が存在しますが、いずれも消化作用を抑制する欠点(?)があり、単体で煎じる場合はその作用がダイレクトに現れます。単体で煎じる場合の分量は~5グラム程度で始めるのが望ましいと思いますが、他の生薬を組み合わせる場合はで加減されるとも思いますので・・・。その点は実際購入時、薬局にてお問い合わせいただくのが宜しいかと。
ただ個人的には、「腎虚」による症状は多岐にわたるので、それが例えば「耳」に特化する場合はそれに応じた生薬の組み合わせを用いた方がより効果的では?と思います。その点は、知柏地黄丸や味麦地黄丸など、八味丸(六味丸)に数多くの類方が存在する点からも類推できると思います。そしてまた、生薬を組み合わせる目的にもいろいろありますが、その一つに「ある生薬(今の場合は地黄)の働きを十分に発揮させる目的で別の生薬を合わせる」というのがあります。例えるなら、他の生薬と合わさることで地黄が持つ「ベクトル」が変わるといったニュアンスでしょうか。地黄の服用量を増やしてもベクトルが伸びるだけで、向きは同じでしょうから・・・。
以上、雑多な文章ですがご容赦下さい。お大事になさいませ。
回答日時: 2021/01/20 14:13
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