baobabさん
投稿日時: 2021/07/17 11:47
お世話になります。
難聴ですが、下記の案内をみました。
どちらが良いでしょうか。
こんな時は 耳鳴りや難聴が長期に及んで、何年も患っているという方
処方 滋腎通耳湯(じじんつうじとう:当帰、川きゅう(せんきゅう)、芍薬、生地黄(乾地黄でも可)、知母、黄柏、黄ゴン(おうごん)、柴胡、白し(びゃくし)、香附子各3)
解説 冷えを主訴とするお血証の方にはよいと思います。
こんな時は 耳鳴りや難聴
処方 血府逐オ湯(けっぷちくおとう:当帰3、生地黄3、桃仁4、紅花3、枳穀2、赤芍2、柴胡1、甘草1、桔梗1、川きゅう(せんきゅう)1、牛膝3g)耳鳴りがひどい場合には「蝉退(せんたい:セミのぬけがら)」を加味。
解説 ビタミンB1、B12を常服するよう指示されています
体質は冷え性、身長170センチ、体重48キログラム貧血気味、です。
よろしくお願いします。
baobabさん、こんにちは。
結論を先に言いますと、症状・体質によっては両方を合わせて良いと思います。
滋腎通耳湯は血虚証に対する四物湯がベースの処方で、虚閉と呼ばれる血流不足タイプの難聴に向きます。対して血府逐オ湯はその名の通り、オ血(血滞)に対する漢方薬で、火閉や気閉に伴う血行障害タイプの難聴に向きます。ただ実際は、血流不足と血行障害、あるいは血行不良と血管障害は連続して起こるので、病態においても血虚にオ血が伴うケースは少なくありません。
漢方では、人の体には気・血・水という3つの要素が巡り、これが滞ったり、行き届かなかったりすることで、様々な症状(≒機能障害)が現れると考えます。それは難聴も同じで、大雑把に言うと、難聴には血の不調以外にも気の不調、あるいは水の不調が絡むケースがあるという事です。耳という器官において気や水が何を表すのか?をここで説明すると話が長くなるので割愛しますが、漢方薬の運用はやはり「証ありき」だと思いますから、血虚証にオ血証が伴うのであれば、合わせて然るべきと思います。また、その場合に用いるべき方剤として、血府逐オ湯が相応しい場合もあれば?他の駆オ血剤(※例えば、環元清血飲や通導散)が適する場合もあると思います。個人的には、応用範囲が広いので、優秀な方剤だと思いますが・・・。
以上、雑多な文章ですがご容赦下さい。お大事になさいませ。
回答日時: 2021/07/20 10:28