mireaさん
投稿日時: 2021/11/04 13:37
人参湯と真武湯はどういった違いがありますか?
お腹や手足の冷えが気になっています。
よろしくお願いいたします。
mireaさん、こんにちは。
人参湯と真武湯は共に冷えに用いる漢方薬ですが、前者は人参・乾姜を用いる点から、お腹の働きが弱いために「腹部に冷えを痞えやすい」という病態に用います。人参には補気だけなく下腹の痞えを除く作用もあるので、人参湯としてはその両面に効果が期待できると思います。また人参湯が元になった甘草乾姜湯から考えると、胃が冷えて水が上がってくる(※然るに、むかつきとか分泌物の増加とか多尿に及ぶ)ような状態に用いる側面もありますね。
それに対して附子を用いる真武湯は、冷えがお腹に限局する訳ではなく、冷えという形での「新陳代謝の脆弱さ」が水分代謝の悪さに及ぶ病態に用います。水分代謝を整える働きを持たせつつ、ブクリョウが加わることで心臓の働きも強めますので、めまいやむくみといった循環器系の症状にも応用がききます。
病態で言えば人参湯は裏寒、真武湯は陽虚に対する漢方薬です。ただ実際は附子理中湯や温賦湯など、2つを兼ねたような処方もありますから、その運用は必ずしもどちらか一方だけという事はないと思います。
回答日時: 2021/11/04 22:25