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富士堂公式サイトでこの記事を読む>>「薄毛治療|漢方薬での抜け毛改善は可能か?リンク
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薄毛は外見上の印象を大きく左右することもあり、お悩みの方も多いと思います。では漢方薬で薄毛・抜け毛の治療はできるのでしょうか?結論からお伝えしますと、個人個人の体質にあった漢方薬を服用することにより、頭皮環境を整えていくことが可能です。
富士堂漢方薬局でも、抜け毛や薄毛に悩む患者様の治療を多くしてまいりました。中には全身脱毛症がすっかり治った症例リンク も。
今回は、そんな薄毛についての基本情報と、漢方医学からの視点や治療法についてご紹介したいと思います。

1. 男型脱毛症(AGA)の疾患概念とは?
2.病態
3.治療
4.AGA以外の脱毛の原因
5.女性の脱毛症について
6.生活
7.正しいシャンプーの方法
8.東洋医学からみた薄毛
9.富士堂での薄毛治療



1.男型脱毛症(AGA)の疾患概念とは?

男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版によりますと”男性型脱毛症とは,毛周期を繰り返す過程で成長期が短くなり,休止期にとどまる毛包が多くなることを病態の基盤とし,臨床的には前頭部や頭頂部の頭髪が,軟毛化して細く短くなり,最終的には頭髪が皮表に現れなくなる現象である。この病態は男女を問わず同一で有り,休止期脱毛と異なり,パターン化した脱毛が特徴である”とあります。

通常のヘアサイクルでは毛髪は成長期(2~6年)⇒退行期(2~3週)⇒休止期(3~4ヶ月)を繰り返しますが、男性型脱毛症(AGA)になりますと正常では2~6年の成長期が数ヶ月から1年になってしまうため髪の毛が太く長く成長する前に抜けてしまいます。

正常の毛周期とAGAの毛周期

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(画像出典:https://jp.rohto.com/learn-more/bodyguide/thinhair/symptom/リンク

遺伝的要因としては以下の二つに分けられます。

①性染色体上にある男性ホルモン受容体の感受性が高い遺伝子
このケースでは性染色体のX染色体にありますので、AGA体質かどうかは母親から引き継がれることになります。父方からの遺伝は関係ありません。母方の祖父や母方の曽祖父がAGAの場合、AGAを引き継ぐ可能性が高くなります。

②常染色体上にある5α-還元酵素活性が高く男性ホルモンであるテストステロンがさらに活性の高いジヒドロテストステロン(DHT)に変換されやすい遺伝子
このケースでは脱毛ホルモンとよばれるDHTが多くなっても受容体が反応しなければ発症しないため、AGA症状が出ない場合もありますし、軽い状態ですむ場合もあります。

2.病態

毛乳頭細胞は、髪の毛の付け根部分にある毛乳頭に存在する細胞です。毛細血管により運ばれてきた血液中の酸素や栄養素を受け取り、毛母細胞に発毛・脱毛の指令を送ります。
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(画像出典:https://www.taisho-kenko.com/column/118/リンク

前頭部や頭頂部などの男性ホルモン感受性毛包の毛乳頭細胞には男性ホルモン受容体が存在します。
運ばれてきたテストステロンは II 型 5α-還元酵素の働きにより、さらに活性が高いジヒドロテストステロン(DHT)に変換されて受容体に結合します。
DHTの結合した前頭部や頭頂部の男性ホルモン感受性毛包においては、TGF-β や DKK1 などの脱毛因子を誘導し毛母細胞の増殖が抑制され成長期が短縮することが報告されています。

3.治療

AGAの主な治療薬

AGAの治療薬
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※ミノキシジルは内服薬と外用薬が存在しますが厚生労働省の認可を受けているのは外用薬のみです。


4.AGA以外の脱毛の原因

粃糠性脱毛症
脱毛を伴う仕組みとしては大量の細かいフケが発生することで毛穴を塞ぎ、毛穴にいる常在菌のマラセチア菌(真菌)がフケをえさにして増殖することで毛穴に炎症が起き、髪の成長が阻害され脱毛症状へとつながります。アトピー性皮膚炎などのアレルギー体質の方がかかりやすいと言われております。

脂漏性脱毛症
粃糠性脱毛症と同様にフケやかゆみを伴いますが、その他の特徴として頭皮のべたつきや湿疹などを併発します。
頭皮の皮脂の分泌が多くなるとマラセチア菌が増殖してかゆみや湿疹を伴う脂漏性皮膚炎がおこり、皮脂が毛穴を塞ぐことによって脱毛症状へとつながります。

ラーメン、ファーストフード、揚げ物、お菓子などの脂質や糖質を多く含む食事は、皮脂分泌をコントロールするビタミンB2、B6を大量に消費するために注意が必要です。
フケ・かゆみの原因菌であるマラセチア菌の増殖を抑える抗真菌成分「ミコナゾール硝酸塩」を配合したシャンプーを使うことで、菌を減らす効果が期待できます。

5.女性の脱毛症について

女性型脱毛症FPHL(Female Pattern Hair Loss)は女性が発症する脱毛症の総称で、FAGA(女性型男性型脱毛症)や円形脱毛症、牽引性脱毛症、分娩後脱毛症などが含まれます。
FAGAとは女性型男性型脱毛症のことで女性ホルモンが減少することでおこる脱毛症の症状です。

女性では男性と異なり、頭頂部の比較的広い範囲の頭髪が薄くなるパターンとして観察されます。
発症時期についても男性とは異なり、更年期に多発するようになります。


6.生活

まず、何よりも大切なのが「食事」「睡眠」「運動」です。

●食事

薄毛対策には特にたんぱく質、ビタミン、ミネラルが重要です。髪の大半はケラチンというたんぱく質からできており、ケラチンを構成するアミノ酸は体内で作ることができないため、食事からとる必要があります。ビタミンに関しては、特にビタミンB群、ビタミンCとビタミンEが重要です。ミネラルに関しては特に鉄と亜鉛が毛髪の成長を促すために必要な栄養素です。また、亜鉛はたんぱく質を合成する際に必要とされるので、亜鉛がないと髪の原料であるケラチンが生成されなくなってしまいます。

男性ホルモンであるテストステロンが5α-還元酵素活性と結合することでジヒドロテストステロン(DHT)となり薄毛の原因になりますが、亜鉛は5α-還元酵素を抑制し、DHTの生成を抑える作用があります。一部の食品添加物には亜鉛の吸収を阻害するものがありますので、インスタント食品などの加工食品ばかり食べている人は亜鉛不足に注意する必要があります。また、亜鉛はアルコールの分解をサポートしているため、アルコールを多量に摂取するとその分消費されてしまいますので注意が必要です。

●睡眠

髪の毛も成長ホルモンにより活性化、成長します。
人は睡眠中に大量の成長ホルモンが分泌されるため、質のいい睡眠が大切です。

●運動

運動をすることで血流をよくして全身の隅々にまで栄養や酸素を行きわたらせることができます。活動量が少ない人は特に注意が必要です。全体の代謝が悪くなって、髪の毛も生えてこなくなることもあります。


7.正しいシャンプーの方法

予洗いとしてお湯のみで汚れを洗い流したあと、シャンプーを手のひらに出して良く泡立てた後、髪の毛を包むように洗うことが勧められます。そのまま原液を頭皮につけると濃い界面活性剤によって刺激をうけるため注意が必要です。手の指腹を使って頭皮と毛髪を軽くマッサージする感じで洗い、その後しっかりすすぐことが大切です。

8.東洋医学からみた薄毛

まず、東洋医学には、西洋医学とは異なった「健康を測るバロメーター」ともいえるいくつかの独自の概念があります。中でも「五臓(肝・心・脾・肺・腎)」や「気血水」は聞いたことがある方も多いかもしれません。
ここで注意したいのが、先述の通り西洋医学とは異なる概念のため、五臓は肝臓や心臓などの臓器とイコールではなく、それぞれが「広い概念で体全体の機能や精神状態、エネルギーのバランスを司るもの」として解釈されています。また、気血水も同様に、「体の機能を維持し、健康状態を保つために体内を循環している3つの基本的な物質やエネルギーの概念」であり、健康な状態とは、この「気(身体を流れる肉体的、精神的なエネルギー)・血(血管を流れる液体)・水(身体の中を流れる血液以外の水分)」が過不足なくバランスを保ちスムーズに巡っている場合を指します。
反対に、どれかが不足したり、滞ったりするとこの3つのバランスが崩れて身体に不調をきたします。五臓の中では「腎」が、気血水の中では「血」が髪の成長・薄毛と深く関わっていると考えられており、全体の調和を整えることで活力が戻り、薄毛が治療されていくということです。


髪は腎の華

「髪は腎の華」と言われ、腎は髪と深い関りがあります。「腎」と聞いて、腎臓をイメージされる方もいらっしゃるかもしれませんが、西洋医学の腎臓とは少し異なり、より広い範囲での概念を指します。ざっくりいうと「生命力やエネルギーの源であり、身体の根本的な健康を支える要素」として考えられており、以下のような機能を持っています。

●精の貯蓄
「精(せい)」とは、生きる上でのエネルギー、生命力のことで、腎はこの「精」を蓄え、体力を保持させ健康な状態を保つのに基本的な力を与えます。

●成長・発育・生殖
成長期の子どもや思春期、また生殖機能に影響を及ぼします。

●水分代謝調整
体内の水分のバランスを調整する役割もあり、この働きが弱まると冷えやむくみなどの原因になることもあります。

●骨や髪を養う
骨や髪の成長・強化を支えます。

これらからもわかるように、血液を濾過して尿を作る以外にも老化やホルモンと深い関りがあるとされています。この生命エネルギーの貯蔵庫が弱ってくると、髪の毛も弱まり抜けやすくなってきます。ストレスや疲れ、睡眠不足、生活習慣の乱れが腎に必要以上の負担をかけるので注意が必要です。


髪は血の余り

また、「髪は血の余り」と言われます。つまり余った血が髪の毛になるという考え方です。すなわち血が不足するとパサパサになったり、抜けやすくなったりします。東洋医学でいう「血が不足している状態」とは貧血のみを指すわけではなく、血の働きが弱まっている状態をも指し、これを「血虚(けっきょ)」といいます。特に女性は生理や出産、授乳などで多くの血を消耗するため、血虚状態となり抜け毛になる方が多いです。

また、物理的な出血だけでなく、悩み事が多く常にいろいろな心配事があったり、夜遅くまでスマホを見るなど目をよく使っていたり、睡眠不足なども血液を消耗すると言われていますので当てはまる方も多いのではないでしょうか?


9.富士堂での薄毛治療

富士堂漢方薬局では、時間をかけてしっかりと問診させていただくことで薄毛になった原因として持病があるのか、五臓や気血水、その他バロメーターの状態はどうか、バランスは保たれているか、体質・遺伝や生活習慣、外的要因による影響などを総合的に判断して個々に合う薄毛対策の漢方薬を提案させていただいております。

下記は様々ある治療法のうち、いくつかの例です。


気血両虚の方

生命エネルギーである気と血の両方が不足している状態で、病後(例えばコロナ後の脱毛症)などがあてはまります。
人参養栄湯、十全大補湯、帰耆建中湯(緊張がありコロコロ便の方)など


血虚の方

髪の栄養である血が不足しているために、頭皮に栄養がいきわたらず抜け毛となる状態です。こういった場合は血を補う効果のある薬を選択します。皮膚の乾燥、かゆみも伴うケースには当帰飲子がおすすめです。
四物湯、当帰飲子など


血虚水毒の方

血の不足とともにむくみもある状態です。水が必要以上に体内にたまり、悪影響を及ぼすことを「水毒」と言います。血を補うとともにむくみを解消する薬を選択します。
当帰芍薬散、帰芍地黄丸(当帰芍薬散+六味丸)など


ストレスの多い方や不眠の方

ストレスが多いと血流が悪くなります。頭皮や髪に栄養を行き渡らせるためにストレスを緩和させることで血流を良くする薬を選択します。虚実や腹診の状態で使い分けをします。
抑肝散、大柴胡湯、柴胡加竜骨牡蛎湯、小柴胡湯、柴胡桂枝湯、帰脾湯、加味帰脾湯、桂枝加竜骨牡蛎湯など


動脈硬化のある方

防風通聖散、桂枝茯苓丸など


脂漏性皮膚炎のある方

荊芥連翹湯、十味敗毒湯など

また、胃腸が弱く食欲のない方は香砂六君子湯などで先に胃腸を整えることでその後のより良い治療につながります。

前述したとおり、ヘアサイクルは一周で2~6年程度かかり、ゆっくりと髪の毛は成長します。
薄毛治療をする場合は、まずは3ヶ月から半年で様子を見つつ、根気よく治療を続けることをお勧めしています。
富士堂ではまずしっかりと時間をかけてカウンセリングさせていただき、その方の体質にあった漢方薬をご提案いたします。
ぜひ、お気軽にご相談くださいませ。


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