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インフルエンザと新型コロナ


新型コロナウイルス感染症の対策として出されていた緊急事態宣言が
全国で解除されてから約5ヶ月が経ちました。国内での累計感染者数は
8万人を超えコロナとの戦いは長期化しています。
そのため、今年の秋から冬にかけてはインフルエンザとの同時流行が
懸念されています。
テレビなどでおなじみの呼吸器内科医大谷義夫先生の話では、
「2009年の新型インフルエンザの時は、日本では春や夏の第一波よりも
冬の第二波の時の方が大規模な流行となりました。
新型コロナも秋から冬にかけてさらに流行する可能性は否定できず、
季節性のインフルエンザとの同時流行の対策も考えておかなければ
なりません。」

秋から冬にかけて懸念される感染拡大の要因と課題
1 空気が乾燥してくると、喉が乾燥しやすくなり、病原体の侵入を阻む
防御システムの働きが弱まる。
2 寒くなると密閉した空間に人が集まり、感染が起こりやすくなる。
3 新型コロナと季節性のインフルエンザが同時に流行すると医療が
逼迫する恐れがある。


味覚や嗅覚の異常があれば新型コロナの可能性が高くなりますが
それ以外の発熱や倦怠感、悪寒、咳などの症状はインフルエンザでも
共通しています。
インフルエンザと新型コロナの混合感染もあるので十分に注意が必要です。
実際に中国武漢の新型コロナ入院患者でも混合感染が報告されています。
もし高熱が出たらいきなり病院に行くのではなく、まずはかかりつけ医などに
電話して相談するという手順になります。
そのクリニックで新型コロナ唾液による PCR 検査に対応していれば、発熱の
患者さんも診察して頂けるでしょう。

疫学(疾病流行学)を専門とする、京都大学名誉教授 川村隆先生は、新型コロナ
ウイルス感染症に関する論考で次のように述べられています。
これから涼しくなって大流行を迎える可能性が高い。しかし、行うことは屋外での
単独行動時を除いてマスクの着用、手洗いやうがい、机上や共用器具の消毒、
そして規則正しい生活や軽度の運動による免疫の確保に尽きる。
これらのいずれについても、新型コロナウイルス感染の予防に有効かどうかは
証明されていない。基礎的な研究の成果や他の病原体病態に対する有効性から
きっと新型コロナウイルス感染症の予防にも有効だろうと思われるだけである。
しかし、手間や費用はさほどかからないし、より頻度の高いインフルエンザや
普通感冒の予防にはなるので、無駄にはならない。コロナウイルスとの付き合いは
今後も続く。
社会機能を維持しながら流行が穏やかであるよう地道な努力を続けるのみである。

いずれにせよ今年はインフルエンザになるべくかからないことが、例年以上に大切です。
そのためには、
●手洗いやアルコール消毒はもちろん人混みにはなるべく行かない。
●換気の悪い「3密」の屋内は避ける。
●マスクをして喉の乾燥を防ぐ
などの対策で予防しましょう。そして早寝早起き、適度な運動、お風呂に良く入って
体を温めるなど、免疫力を落とさない日々の生活習慣が一番大切
だと思います。

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