更年期とは何か その1
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更年期とは何か その1
生体エネルギーの増幅システムを科学する
健康増進医学研究所®©


女性ホルモンの分泌量が減る更年期
女性の更年期とは一般的に閉経前後の10年間をいいます。個人差はありますが45歳~55歳ころです。
女性ホルモンの分泌が減って、それに伴う様々な体調の変化に出会う時期でもあります。

女性ホルモンの働き
女性ホルモンは女性の体を女性らしくするホルモンです。体脂肪を増やし、卵巣、子宮、乳房の発育を促し、排卵・月経を生じさせ、受胎・妊娠・出産・授乳を円滑になさしめるために分泌されます。
そうした機能にプラスされているのが、抗酸化を助ける機能カルシウムの吸収と骨形成を助ける機能です。

女性ホルモン不足の影響
女性ホルモンの分泌が減ると、まず女性ホルモンの本来の働きである、女性らしさに影響が出ます。生理不順や不正出血があったり、膣の乾燥、性交痛、不感症をはじめ肌のトラブルやヒゲが濃くなったりします。
副次機能である抗酸化能が低下すると、活性酵素の影響を受けやすくなり、酸化によってシミ、クスミ、シワなどができやすくなります。
カルシウムが不足すると、骨から溶け出すカルシウムが増えて、不定愁訴と呼ばれる交感神経の緊張症状が出ることになります。

抗酸化能が低下します
女性は女性ホルモンの抗酸化機能のおかげで男性より長生きします。抗酸化作用が低下する更年期には、多くの抗酸化物質を作り出す肝臓の働きを良くするとともに、抗酸化にかかわるビタミンやミネラル、ファイトケミカル(植物性抗酸化成分)などを十分に摂取することが大切になります。尿酸は肝臓が作り出す強力な抗酸化物質で、女性ホルモンを作れない男性は多く合成します。女性ホルモンが減る更年期には女性も尿酸の合成量が増えて痛風になる人が出てきます。

交感神経が緊張しやすくなります
細胞の外側には細胞の内側の1万倍ものカルシウムがあって、細胞の外側のカルシウムが細胞の中に入ることによって、細胞の機能を発揮するスイッチが作動する仕組みになっています。カルシウムが細胞内に取り込まれることによって神経細胞の興奮や緊張は生じるわけです。カルシウムが不足して血液中のカルシウム濃度が上がった状態が続くと、交感神経は常に緊張した状態になって自律神経のバランスが崩れます。
カルシウムの補給とともに、細胞内のカルシウムの増加を抑制する薬食の利用が役立ちます。

交感神経の緊張による症状
ホットフラッシュ―のぼせ、ほてり、発汗、急に顔・背中・首が熱くなる、汗が止まらない、寝汗で目覚める―といった症状は典型的な交感神経の緊張症状です。
汗は交感神経の緊張によって出ます。
イライラ・怒りっぽい―交感神経の緊張や肝臓の緊張によって生じる感情です。肝臓の興奮を鎮める薬食の利用が役立ちます。
寝つきが悪い・不眠―自律神経訓練法による自己暗示療法や緊張を和らげる薬食の利用が役立ちます。
不安感・うつ・落ち込み― 体の不調は必ず反映します。不眠はうつの際には必ず見られる症状です。
頭痛・頭重感―緊張と血行不良がもたらす症状です。

血液の循環も悪くなります
交感神経の過緊張状態が続くと血管や筋肉が縮むため、血液の循環が悪くなっていろいろな症状が出ます。
手足の痺れ・痒み―しびれや痒みは血液の循環が悪くなった時に見られる症状です。
肩こり・腰痛・関節痛―原因の分からない痛みは、ほとんどが血行不良によるものです。筋肉が硬くなっている場合には、筋肉を緩めます。
頭痛・頭重感―痛みの原因は痛みの発生部位を問わず血行不良が疑われます。栄養不足や過労による交感神経の緊張がかかわっています。
疲れやすい・気力がわかない―肉体よりも脳が疲れている状態です。血行不良による肉体疲労に蓄積が影響しています。体質に応じた薬食を選びましょう。
めまい・耳鳴り―医学的に原因や治療法が確立されていない症状です。多くの場合自律神経や血液循環が関係しているのでその方面からアプローチします。