kaho6さん
投稿日時: 2020/06/07 14:09
娘の相談です。
6年ほど前の中学生の頃から不安感や神経過敏、(音に敏感・ニュースの災害や凶悪事件などに特に過敏)
イライラなどあり、貧血もあったので鉄のサプリを飲んだりしながら過ごしていました。
高校2年の頃に症状が酷くなり、学習や学校生活にも影響が出てきたので漢方薬局で相談し
加味逍遥散や加味帰脾湯、柴胡加竜骨牡蠣湯など色々試してきましたが少しは改善されるも今ひとつ。
今は栄養療法をしつつ、ごまかしていますが波がありここのところちょっと辛そうで。
主に辛いのは、神経過敏でびくびくする。(インターホンやよその部屋から聞こえる声やニュースも)
イライラがひどいが、不安感もありマイナス思考に陥る。
ひどいニキビや軽めですが頭痛。生理不順に生理痛。
ただ食欲や体力はある方でめったに風邪などもひかず基本的には健康。
身長160、体重50kg 決して華奢ではないです。
原因不明の紫斑がたまに出たり、シミもあったり舌の裏の血管?が黒々と浮き出ているのでお血があるのかとは
思うのですが・・。
たまに生理前の便秘の時期に桃核承気湯を飲むと気持ちも改善されるような気がすると言っていますが
だんだん下痢になってくるので長期で飲めていません。
こんな娘に合う漢方薬はあるのでしょうか。
女神散も検討しているのですが・・。
kaho6さん さま
こんにちは。
お嬢様の不安感や神経過敏でお悩みとのこと、おつらいことと存じます。
桃核承気湯を飲むと、気持ちが改善されることから、「於血(おけつ)」がたまって脳活動に影響をあたえているのではないかと、推定されます。
とくに、女性の精神不安は、血の道症といわれるくらい、血と関係が深いですね。
ニキビがひどいとのことですから、女性ホルモンバランスもくずれているでしょうね。
女神散も検討しているなら、試してみるべきだと思います。
学習や学校生活にも影響があったことから、於血が、脳の発育にも影響を与えていたと推定されます。
血の道に配慮しながら、さらに脳を元気にするように、漢方薬で体質を改善すると、不安感や神経過敏がなくなってくると思います。
お大事になさいませ。
なかなか改善しないときは、当店までお気軽にお越しになりご相談くださいませ。
回答日時: 2020/06/08 18:31
kaho6さん。ご相談頂きまして、ありがとうございます。
相談の文面から、真剣に悩んでおられる様子をひしひしと感じました。
お訴えの内容から察するに、強い「気滞」を抱えた状態では?と感じます。神経過敏を「気が休まらない状態」と解釈すると、「気の滞りがあるが故に、穏かになれない」と見立てることができます。加味逍遥散や柴胡加竜骨牡蠣湯で改善の兆しがあった点も、その事を裏付けています。
ただ一方で、神経過敏に及ぶ緊張には「固唾を呑む」に相当する状態もあります。緊張すると喉に「唾」が絡みやすくなり、そのまま放っておくと息が詰まり、さらに緊張を覚える・・・、この反応は、誰でも経験したことがあるものだと思いますが。早い話、気のこわばり(≒緊張)が唾に代表される「痰飲」を招き、それが原因で更なる気滞を招くという流れです。(痰飲が澱みとなり、気の濁りを招いてしまうイメージです)「固唾を呑む」の通り、唾は呑めば解消されますが、「呑み込めない」や「呑んでもまた涌いてくる」といった不調を招くのが「痰飲」の性質です。痰飲の影響は、喉の異物感に限らず、不安感や動悸、悪夢など多岐にわたります。kaho6さんの娘さんの場合、熱感や胃腸障害や強くありませんので、気滞・痰飲が「肝・心」に及んだ病態(≒肝気鬱結や心胆気虚)では?と思います。
またkaho6さんの娘さんの場合、「インターホンやよその部屋から聞こえる声・ニュースにビクビクする」という訴えに特徴を感じます。漢方では、耳の感受性(物音に敏感になる)には、五臓の「肝・腎」が関係すると考えます。「驚く」や「恐がる」といった感情は「腎」を弱め、「心」を襲います(心と腎は本来、協調関係にあります)。また強いストレス(≒肝気の凝滞)が耳鳴りを招くように、耳の平穏さには「肝」が一役買っており、肝が不調を起こすと、これまた「心」に飛び火します。漢方では「心は神なり」と唱え、「神」が宿ることで心が開き、健全な精神活動が可能になると考えます。それが立ち行かない状態は「心に神がない」。即ち、心気が衰えた状態(≒心気虚)として解釈されます。
痰飲が絡む一連の病態に用いる漢方薬としてはやはり、「茯苓・竜骨・牡蛎」に代表される重鎮安神薬を用いた「柴胡加竜骨牡蛎湯」や「苓桂朮甘湯加竜骨牡蛎」が有効だと思います。実際はこれらをベースに、例えば「気滞」が著しい場合には四逆散をあわせるといった具合に、別の生薬・漢方薬を加味するケースありますから、専門家に見立ててもらうのが良いでしょう。また先に述べた「心気虚」が著しい場合には、帰脾湯に代表される養心安神薬を用いた漢方薬も候補になります。
気の滞りはそれ自体の不調と共に、血・水も滞らせることで「血滞・水滞」と共に病理産物(お血・痰飲)を招きます。ただし、一連の現象は不可逆的な部分も多く、大元である気の滞りを整えたからといって、必ずしも病理産物までが解消される訳ではありません。そのような場合には、漢方薬についても順次・適宜の変更が必要になります。
以上、雑多な文章ですがご容赦下さい。お大事になさいませ。
回答日時: 2020/06/08 15:49
kaho6さんからのコメント
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