
慢性腎臓病
11月に入り、早いもので今年もあと2か月足らずになりました。
急激な温度変化により風邪が流行しています。
咳が続く方もおられますので、十分注意してお過ごしください。
慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease:CKD)とは、腎臓の障害が
慢性的に続いている状態のことをいいます。
現在、患者さんは国内に1,330万人(成人の8人に1人)いるとされ、
新たな国民病といわれています。
腎臓は血液をろ過して、体の老廃物を取り除いてくれる浄水場の
ようなところです。
体の各組織から不要物を回収してきた血液をろ過します。
糸球体と尿細管のろ過器官が約100万個あり、まず糸球体で、
再利用できる血液成分やたんぱく質を残してきれいな血液に
ろ過をします。さらに、尿細管でもう一度、必要な成分を再吸収
するためろ過し、体に不必要な水分、塩分、老廃物などを尿として
体の外へ排出します。
体は、1日にドラム缶1本の原尿を作り、尿細管で再吸収して
1~2リットルの尿を排泄します。腎臓では尿の量を調整して、
血液、体液の成分(ナトリウムやカリウムなど)体内の水分量の
バランスを一定に保つ働きをしています。その働きが悪くなり、
尿が作れなくなると、排泄するはずの老廃物や塩分などは
体の中に残り、さまざまな病気を引き起こします。
糸球体腎炎や多発性嚢胞腎などの腎臓病は重要なCKDの
原因です。一方、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活
習慣病にかかっていると、CKDを発症する可能性が高いと
いわれています。
そのため、生活習慣病の原因となる肥満や運動不足、過度の
飲酒、喫煙、ストレスにも注意が必要です。
また、腎臓は年齢とともに機能が低下します。そのため、
高齢者ではCKDになる確率が増えます。
初期の段階では自覚症状はほとんどありませんが、進行
するにつれ、夜間の尿が増える、貧血、だるさ、むくみ、
息切れといった症状があらわれはじめます。
CKDは、進行性に悪化し、末期腎不全に至り、透析・移植を
必要とします。残念ながら「治らない病気」であることは事実です。
しかし、諦めずに積極的な治療と日常生活のコントロールを
根気よく行うことで、透析に入る期間を先延ばしにできます。
また、進行しないCKDや軽症のCKDもありすべてのCKDが
透析になるわけではありません。
進行しないCKDの条件は、
①高血圧がない ②蛋白尿がないあるいは極軽度 ③腎臓の萎縮が極軽度
④CKD以外の疾患がない ⑤CKDの進行速度が遅い
次回は、CKDの方の食事療法や漢方薬についてお話します。
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